企業経営において「損益計算書(PL)」は、利益構造を把握するための最重要書類です。
また金融機関が融資可否を判断する際にも、損益計算書の読み方や内容は大きく影響します。
本記事では、経営者や担当者が押さえるべき損益計算書の基本と、その分析がどのように融資判断につながるのかを、専門家の視点も交えて解説します。
損益計算書とは何か
損益計算書とは、企業が一定期間にどれだけの収益を上げ、どれだけの費用が発生し、最終的にいくら利益が残ったかを示す財務諸表です。
売上総利益・営業利益・経常利益・当期純利益と段階的に利益の構造を示すため、企業の収益力や本業の強さを読み取ることができます。
士業の立場から見ると、損益計算書は「企業活動の健康診断書」ともいえる存在で、経営改善や補助金申請、融資支援などの場面で重要な判断材料となります。
損益計算書の基本的な読み方
損益計算書を見る際は、単に利益額を見るだけでなく、売上総利益率や営業利益率の推移を確認することが重要です。
売上が増えていても利益が減っている場合は費用増加や収益構造の悪化が疑われます。
また本業の実力を示すのは「営業利益」であり、金融収支の影響を受ける経常利益や、一時的な要因が含まれる当期純利益だけで判断することは危険です。
行政書士が経営者をサポートする際も、利益率の変化や費用構造の偏りを丁寧に読み解くことを重視します。
金融機関が重視するポイント
融資判断において金融機関は、返済原資となる「営業キャッシュフロー」を重視しています。
そのため、営業利益が安定しているか、費用の管理が適切か、利益率が同業他社と比べて極端に低くないかなどを細かく確認します。
また、利益が毎年大きく変動している場合は、事業の継続性や安定性に疑問を持たれることがあります。
士業が金融機関との調整を行う際も、これらのポイントを踏まえ、説明資料や事業計画に反映させることが一般的です。
赤字でも融資が受けられるケース
損益計算書が赤字であっても、すべての融資が否定されるわけではありません。
減価償却費などを考慮材料として「実質的なキャッシュの動き」を確認し、キャッシュフローが黒字であれば返済可能性が認められる場合があります。
また、赤字の原因が一時的投資や新規事業のスタートアップ費用など、将来の成長につながるものであれば、金融機関は前向きに評価することがあります。行政書士による事業計画書の作成支援は、このようなケースで非常に有効です。
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損益計算書と他の財務諸表との組み合わせ
損益計算書は単体で見るのではなく、貸借対照表(BS)や資金繰り表と合わせて判断する必要があります。利益が出ていても資金繰りが厳しい企業は珍しくありません。
金融機関もPLの数字だけを信頼することはなく、BSの財務体質や資金の流れを総合的に評価します。士業としても、これら三表の連動性を説明し、経営者の意思決定を支援しています。
まとめ
損益計算書は企業の収益力や事業の健全性を示す重要な書類であり、金融機関の融資判断に大きく影響します。正しい読み方を身につけることで、経営改善や資金調達の成功率は大きく高まります。
特に融資を考えている場合は、行政書士などへ相談し、損益計算書の分析や事業計画書の作成をサポートしてもらうことを強くおすすめします。
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