近年、女性の起業が全国的に増加しており、松戸市でもその動きが活発になっています。
特に「自分のやりたいことを仕事にしたい」「ライフスタイルに合った働き方を実現したい」といった思いを持つ女性から、キッチンカーやサロンなど多様なビジネスモデルでの創業相談が寄せられています。
松戸市は市内の商工会議所や各種専門家による創業セミナー、日本政策金融公庫の融資など、起業家が利用できるサポート体制が整っています。
しかしながら、いざ実際に「創業融資を受けたい」となると、不安を抱える方も少なくありません。
特に「自己資金が十分でない」「起業って融資審査にどう影響するの?」といった声も多く、事前準備や事業計画の立て方、面談時の対応など、悩みは尽きません。
本記事では、実際にキッチンカーの開業を目指して合同会社を設立し、創業融資を受けた20代女性2人の事例をもとに、どのように準備を進め、どのように審査をクリアしたのかを詳しくご紹介します。
行政書士の視点から、成功のポイントや注意点も解説していきますので、松戸市でこれから起業を考えている方はぜひ参考にしてください。
女性による合同会社設立と創業融資のポイント
創業融資を受けるためには、事業内容の具体性や資金計画の明確さ、起業家の人物像や信用力など、さまざまな要素が審査に影響します。
特に起業家が合同会社を立ち上げ活動する場合も、「融資の対象としてどう評価されるのか?」という不安を抱えることが少なくありません。
今回は、キッチンカー事業のために、20代女性2人が合同会社を設立し、日本政策金融公庫から満額の融資を受けた実例をご紹介しながら、融資成功の鍵となったポイントを解説します。
キッチンカー開業を目指して女性2人で共同代表になった事例
今回の主人公であるAさんとBさんは、共に20代の女性。
かねてより「自分たちの手でキッチンカーを立ち上げたい」という夢を持っていました。
彼女たちはキッチンカー事業の経験はないものの、飲食業に関する実務経験があり、すでにテスト販売も行っていました。
テスト販売の結果として、一定の売上実績を積み上げていたことが大きな強みとなりました。
創業にあたっては、「2人で対等に経営していきたい」という意向から、法人形態として合同会社を選択。共同代表として登記を行うことで、金融機関にも2人の関係性と責任の所在を明確に伝えることができました。
実際の融資申請に際しては、行政書士である筆者が事前に日本政策金融公庫の担当者と協議を行い、事業の背景や代表者2人の役割、資金計画の内容について詳細に説明。
そのうえで、自己資金の状況やテスト販売の実績をもとに、現実的な数値で作成した創業計画書や売上・損益予測を提出しました。
このような丁寧な準備とサポートの結果、申込の翌週には面談が行われ、無事に希望額の融資が決定されました。
自己資金・経験・実績が鍵に!融資成功の3つの条件
この事例において、融資成功の決め手となった要素は大きく3つあります。
1. 十分な自己資金の蓄積
共同代表のうち、Aさんはしっかりとした自己資金を蓄えており、消費者金融やカードローン等の借入もなく、金融機関からの信用を損なう要素が一切ありませんでした。
自己資金の有無は、融資において最も重要な要素のひとつであり、どれだけ準備しているかが審査に直接影響します。
2. 実務経験とテスト販売の売上実績
Aさん・Bさんの両名とも、これまで飲食業に関わった経験があり、プロとしての調理技術を身につけていました。
さらに、テスト販売での売上実績があり、それをもとに今後の売上予測や収支計画を現実的な数値で提示できたことが、事業の実現性を裏付ける材料となりました。
3. 共同代表としての明確な経営方針
合同会社を設立し、2人で登記を行ったことで、金融機関側にも「この2人は本気で共同経営をする」という姿勢が伝わりました。
面談時には、今後の経営方針についても2人で統一された回答ができるように準備。
特に、「方針が食い違った場合どうするのか」「どちらが意思決定の主導権を持つのか」といった質問に対しても、事前に対策を講じて臨んだことが、信頼感の構築に大きく寄与しました。
これらの条件が揃っていたからこそ、2人による合同会社というスタイルでも、スムーズに創業融資を得ることができたのです。
この事例から分かるように、松戸市での女性起業においても、事業経験、自己資金、実績、という3つの要素が揃えば、創業融資の可能性は高まるといえます。
松戸市で合同会社を設立して融資を受けるための流れ
創業融資を成功させるためには、単に事業を始める意思だけでなく、計画性と準備の徹底が求められます。特に日本政策金融公庫の融資制度を活用する場合には、審査に必要な資料の整備や、起業家自身の信用力を正しく伝えることが重要です。
ここでは、実際にキッチンカー事業を始めるために合同会社を設立し、創業融資を受けた事例をもとに、融資獲得までの道のりをご紹介します。
ヒアリングと計画立案〜合同会社設立の準備
まず最初に行ったのは、現状の整理と今後の展望に関するヒアリングです。
行政書士である筆者が、AさんとBさんから事業内容、資金状況、経験の有無、テスト販売の実績などを細かく聞き取りました。
この段階で、自己資金の充実度や業種経験が評価されることがわかり、特に自己資金をしっかり準備していたAさんをメインとする形を提案しました。
その後、合同会社の設立準備に着手。
会社設立に必要な基本事項(商号、所在地、事業目的、資本金など)を2人で協議し、定款を作成。法務局への登記申請も行い、正式に法人としての合同会社が誕生しました。
ここで重要だったのは、「共同代表」という形で登記を行ったことです。これにより、2人が対等に経営する姿勢を金融機関にも明確に伝えることができました。
また、法人形態を選んだことで、事業が継続的かつ計画的に行われることを裏付ける効果もありました。
個人事業主では証明が難しい「2人で事業を行う意思」を、法人登記という形で明確に表現できたのは、融資審査上大きなアドバンテージとなりました。
日本政策金融公庫との事前相談と書類のポイント
会社設立と並行して、日本政策金融公庫との事前相談も進めました。
行政書士として、当事務所が日頃から連携している公庫の担当職員に今回の事業計画や申込予定者の属性、資金使途、実績などを詳しく説明し、事前のフィードバックを受けることで、申請の見通しを立てやすくなりました。
融資申込の際に提出した書類には以下のようなものがあります。
- 創業計画書(公庫所定フォーマット)
- 創業計画書の補足資料(具体的な事業内容や想定する顧客、競合との違いなどを文章で補足)
- 売上計画書(テスト販売実績を根拠に36カ月分作成)
- 損益計画書(36カ月分)
- 資金繰り表(12カ月分)
これらの書類は単に数値を並べるのではなく、「なぜその金額になるのか」「過去の実績がどのように将来につながるのか」を論理的に説明することが求められます。
特にテスト販売のデータは、現実的な売上見込みを示す根拠として大きな説得力を持ちました。
また、共同代表という特性上、面談にはAさん・Bさんの両名が出席することが必要でした。
面談に備え、あらかじめ「経営方針の一致」「意思決定の方法」「今後のビジョン」などを整理し、質疑応答にスムーズに対応できるよう対策を講じました。
このように、ヒアリング・設立準備・書類作成・事前相談といった各ステップを丁寧に踏んでいくことで、創業融資の成功確率を高めることができます。
面談対策と実際の融資審査で注意すべき点
日本政策金融公庫の創業融資において、面談は非常に重要なステップです。
どれだけ書類をしっかり準備しても、面談での対応次第で審査結果が左右されるケースは少なくありません。
特に合同会社の「共同代表」として2人で面談に臨む場合、それぞれの役割や関係性、今後の経営方針に対する質問が中心となるため、準備不足は致命的となります。
ここでは、今回の事例をもとに、面談時に気をつけるべきポイントと、共同代表ならではの対策について詳しく解説します。
共同代表ならではの面談対策とは?
共同代表として会社を設立した場合、全代表者が面談に出席するとよいでしょう。
今回のケースでも、Aさん・Bさんの2人がそろって面談に臨みました。
面談の場では、単に事業内容や収支計画の説明を求められるだけでなく、以下のような点が重点的に確認されます:
- 2人の間で経営方針や役割分担は明確になっているか
- 意思決定の方法はどのようにしているか
- 今後、意見の食い違いが起きた場合にどう対処するか
このような質問に対して、2人の回答に食い違いがあったり、曖昧な説明になってしまうと、「経営の安定性に不安がある」と判断されてしまうリスクがあります。
したがって、面談前には、2人で経営方針を整理し、質問に対する準備をしておくことが重要です。
例えば、「営業は誰が主に担当するか」「資金繰りはどちらが管理するか」「トラブルがあった場合の最終判断はどうするか」といった実務的な役割についても事前に話し合っておきましょう。
また、面談では「1人だけが話し、もう1人が沈黙している」ような状態も避けるべきです。共同代表である以上、2人がそれぞれ会社の経営に関わっていることを示すことが重要です。
話さない勇気と方針の一致が大切な理由(行政書士の視点)
面談で意外と見落とされがちなのが、「聞かれていないことを自ら話さない」という対応です。
これは行政書士として多くの融資支援に携わる中で繰り返しお伝えしているポイントです。
たとえば、「過去にこんな失敗があった」「本業の傍ら副業として始めたい」といった話題は、相手に悪い印象を与えかねません。
特に融資審査では、「安定性」や「信頼性」が重視されるため、リスクを感じさせる情報を自ら与えることは逆効果です。
もちろん、質問された場合には正直に答える必要がありますが、聞かれていない限りはポジティブな情報を中心に伝えることが基本です。
また、共同代表というスタイルでは、2人の方針の一致が何より大切です。
今後のビジネスの方向性や価値観にずれがあると、金融機関は「将来的に事業が分裂する可能性がある」と懸念します。そのため、面談前には、ビジョンや目的、短期・中長期の目標について、しっかりとすり合わせを行っておきましょう。
行政書士として感じるのは、面談は「自分たちの信頼性を示すプレゼンテーションの場」だということです。落ち着いて、誠実に、そして一貫性のある説明ができれば、創業融資の成功に大きく近づきます。
以上のような面談対策と心構えを持つことで、松戸市での創業融資審査にも十分に対応できるはずです。
松戸市全域で活かせる創業のヒント
松戸市で創業を目指す方にとって、事業計画書や資金調達の準備は避けて通れない重要な問題です。
特に創業融資を検討している場合、日本政策金融公庫をはじめとする金融機関に対して「この事業は実現可能であり、しっかり利益を出せる」という説得力を持った資料を提示する必要があります。
今回は、キッチンカーを開業した事例をもとに、創業における具体的なヒントをご紹介します。
事業の種別を問わず活用できる実践的な内容ですので、ぜひ参考にしてください。
テスト販売の実績をどう活用するか
創業前にテスト的に商品やサービスを販売する「テスト販売」は、創業計画の現実性を裏付ける強力な材料となります。
実際に地域のイベントなどでの販売経験があったAさんとBさんのケースでも、テスト販売の実績が融資審査において高く評価されました。
特に重視されたのは以下の点です。
- 実際の売上を上げており、開業後も販売が見込まれること
- 時期や場所ごとの売上が記録されていたこと
- 顧客からのフィードバックをもとに商品改善が行われていたこと
これらの情報は、売上計画書や創業計画書に反映させることで、「机上の空論ではなく、実績に基づく計画である」と金融機関にアピールすることができます。
たとえば、「1日あたり◯食販売できた」「〇〇では〇個が完売した」といった具体的な数値を提示することで、今後の売上予測にも信頼性が生まれます。
また、販売場所やターゲット層ごとの成果を分析することで、将来的な販路拡大やマーケティング戦略にもつなげることができます。
松戸市内でも、地域イベントやスペースなどでテスト販売が可能な場所はあります。
創業前にできる限り現場を経験し、そのデータを活用することが、融資成功への第一歩となります。
資金繰りや損益計画の作成のポイント
融資審査では、売上や利益の予測だけでなく、現金の流れ(キャッシュフロー)を重視します。
つまり、「利益が出ているように見えても、手元資金がショートすれば倒産する」という現実を前提に審査が行われるのです。
そのため、損益計画だけでなく、資金繰り表の作成が非常に重要です。
AさんとBさんの事例では、次のような工夫を行いました。
- 初年度の収支を現実的な数値で予測(過大評価しない)
- 売上が不安定な時期も想定し、余裕を持った資金繰り計画を設定
- 資金繰りに詰まらないよう、運転資金を多めにして融資を申し込み
このように、楽観的すぎる計画ではなく、万が一の赤字月も考慮した現実的な計画を立てることで、金融機関からの信頼を得やすくなります。
創業時は「夢をカタチにする」ことに意識が集中しがちですが、現実的な数字と戦略の裏付けがあることで、第三者からの信頼は格段に高まります。
松戸市で創業するためにも、数値に基づいた準備を怠らないようにしましょう。
まとめと結論(松戸市の方向け)
合同会社を設立して創業融資を成功させた女性2人の事例を通じて、創業に必要な準備や審査への対応方法についてご紹介してきました。
この事例は、これから起業を目指す松戸市の皆さまにとって、大変参考になる内容です。
実践事例から得られる教訓
今回のケースから得られる最大の教訓は、「実績」と「準備」があれば、たとえ若い女性起業家でも融資を受けて起業を実現できるということです。
キッチンカーという移動型ビジネスにおいても、テスト販売という形で事前にマーケティングと売上実績を積み重ね、それを根拠にした事業計画を立てることで、説得力のある申請が可能になります。
また、合同会社という法人形態を選択し、共同代表として責任と役割を明確にした点も、審査における大きなプラス要素でした。
さらに、融資面談では、事前に経営方針を話し合い、一貫した回答を用意することで、面接官に安心感と信頼感を与えることができました。
これは、2人の事業に対する真剣な姿勢を示す有効な手段となりました。
「準備」と「専門家の支援」の重要性
創業を成功させるには、事前の情報収集と計画立案、資金準備に加えて、正しいアドバイスをくれる専門家のサポートが非常に重要です。
今回の事例では、行政書士として私が日本政策金融公庫との事前交渉や書類作成の支援を行い、スムーズな融資獲得につなげることができました。
松戸市には、創業を支援する商工会議所や金融機関など、多くの資源があります。
こうした制度を上手に活用し、必要に応じて行政書士などの専門家に相談することで、融資のハードルを大きく下げることができます。
「準備なくして成功なし」と言われるように、思いつきで始めるのではなく、現実を見据えた具体的な準備が、創業の成功を左右します。
そして、分からないことは一人で悩まず、信頼できるプロに相談することで、より確実なスタートを切ることができるのです。
松戸市でこれから創業を考えている皆さまには、今回の事例が「自分にもできるかもしれない」という前向きな一歩のきっかけとなれば幸いです。
行政書士に相談する理由とお問い合わせ情報(松戸市エリアに対応)
創業融資や会社設立は、多くの方にとって初めての経験です。
どのような手続きが必要なのか、どの書類を用意すればよいのか、金融機関とのやり取りはどうすればいいのかなど、不安や疑問を感じる場面は少なくありません。
そんなときに頼りになるのが、創業支援に実績のある行政書士の存在です。
松戸市で創業を検討されている方にとって、地域の事情に精通した専門家のサポートは、成功への大きな力となります。
創業融資支援の経験
当事務所では、これまでに多数の創業融資支援を行ってきました。
業種や規模を問わず、個人事業主から法人まで幅広く対応しており、日本政策金融公庫との事前相談や、審査通過を見据えた事業計画書の作成支援などをトータルでサポートしています。
今回ご紹介したような、女性2人による合同会社設立の事例のように、「共同代表での起業」など、少し特殊なケースにも柔軟に対応可能です。
相談時に準備すべきこと
ご相談の際には、以下のような情報をご用意いただけると、よりスムーズな対応が可能です。
- 事業の概要(何を・どこで・どのように提供するか)
- 予定している売上や費用のイメージ
- 自己資金の状況や
- 事業を行う予定の場所や設備の計画
- 代表者の職歴や経験
これらの情報をもとに、創業計画書や融資獲得のサポートを進めていきます。
ご相談はこちらから
松戸市での起業・融資に関するご相談は、以下の窓口よりお気軽にご相談ください。
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