個人事業主として事業を続けていく上で、資金繰りは常に頭を悩ませる課題です。
特に事業を拡大するための新たな取り組みや、急な設備投資、海外展開のようなチャレンジには、まとまった運転資金が必要になります。
しかし、開業から年数が経っていても、決算書の数字や事業計画の説明だけでは金融機関の融資審査を通過するのは簡単ではありません。
特に信用保証協会の保証付き融資を希望する場合も同様です。
過去の売上高を基準とした融資限度額や、資金使途に対する慎重な評価など、実際に審査を通過するためには十分な準備と戦略が必要です。
今回ご紹介するのは、千葉県柏市でデザイン業を営む30代の個人事業主の方が、地方銀行から信用保証協会付きで希望額500万円の融資を成功させた事例です。
展示会出展という一見すると投機的に見える目的に対して、どのように説明し、どのようなアプローチで審査を突破したのか。
行政書士として私が伴走し、実際に融資実行まで至った経緯を詳しく解説します。
資金調達に悩む方、特に「融資を検討している」「融資が可能か不安」と感じている方にとって、今回の事例がヒントになるはずです。
信用保証協会付き融資の重要ポイント
展示会出展という投機的な要素と向き合う課題
今回のご相談者様は、デザイン関係の個人事業を営み、海外の展示会への出展が決まっていました。
ブランド力の向上と新規受注の可能性を見据えて、この出展は事業の将来にとって極めて重要な意味を持っていました。
しかし、展示会出展にかかる費用、特に海外への運送費が想定を超えて高額となり、資金調達が急務となったのです。
ここで問題となったのが「展示会出展は投機的ではないか」という信用保証協会側の評価です。
収益に直結する保証がなく、融資後の返済可能性を担保する材料が見えにくいという理由で、慎重な判断が求められました。
行政書士として私が注力したのは、「出展自体が高いハードルを超えた成果であり、出展するだけでブランド価値が向上する」という点を丁寧に説明することでした。
また、展示会後の販路拡大や単価上昇の見込みなど、長期的な視点からの成長戦略を明確に示すことで、審査担当者の理解を得ることができました。
過去の決算内容が信頼材料となった理由
もう一つ、審査を通過する上で大きな鍵となったのが、過去の決算内容です。
相談者様は開業から6年が経過しており、毎期安定した利益を確保していました。特に経費の少ない業種であることから、売上に対する利益率が高く、確定申告書の内容からも返済能力が十分に読み取れる状況でした。
このような実績があったことで、たとえ展示会で大きな成果が得られなくても、通常営業による利益で十分に返済可能であると判断されました。
審査担当者に対しては、過去3年分の決算書をもとに、キャッシュフローの安定性や今後の事業見通しを具体的に説明し、信用保証協会も最終的には満額保証に応じる形となりました。
葛飾区のような地域でも、しっかりとした実績と将来性を示すことができれば、信用保証協会付きの融資でも高額資金の調達が可能になる好例と言えるでしょう。
地方銀行との連携で融資を勝ち取るまでの流れ
行政書士によるヒアリングと戦略的な資料提出
今回の融資支援において、まず着手したのが丁寧なヒアリングと、戦略的に整えた書類の準備です。
相談者様からは、現在の売上や利益の状況、展示会出展の目的、資金の使い道、将来の事業展開について詳細に伺いました。
ここで重要なのは、単なる希望額の提示ではなく、「なぜその金額が必要で」「どう返済できるのか」をロジカルに説明できる材料を揃えることです。
過去の確定申告書一式、展示会の開催概要、現地でのプロモーション計画など、必要書類を精査してパッケージ化し、金融機関にとって“判断しやすい形”に仕上げました。
行政書士としての視点で、融資審査のポイントを抑えた資料構成と説明文を用意し、担当者の理解を後押しする準備を整えたのです。
地銀担当者との信頼関係が突破口に
その後、個人的につながりのあった地方銀行の担当者にアプローチし、相談者様の案件を紹介しました。
事前に資料を精査していたこともあり、打ち合わせは非常にスムーズに進みました。事業の実績と、展示会出展の戦略的な意義、資金使途の明確さ、そして返済可能性の高さを丁寧に伝えたところ、担当者も非常に前向きな反応を示してくださいました。
担当者からは「500万円は通常なら難しいが、この内容なら稟議を通してみる価値がある」との回答を得られました。最終的には、担当者だけでなくその上席の方も案件に関心を持ち、支店内の稟議を通過し、保証協会でも満額の承認が得られたのです。
このように、単に書類を提出するだけでなく、「誰に、どのように伝えるか」も資金調達においては極めて重要です。信頼関係を築きながら、丁寧に説明を尽くすことで、融資のハードルは確実に下げることが可能になります。
信用保証協会の審査を乗り越えるコツ
資金使途の説明で「ブランド力強化」を訴求
信用保証協会の審査では、融資資金が何に使われ、どのように返済原資につながるかが厳しく問われます。今回の相談者様の場合、資金使途は「海外展示会への出展費用」でしたが、この目的は保証協会から「投機的」と判断されるリスクがありました。
実際に、審査初期の段階では「展示会に出ても成果が不確定」と指摘を受けています。
ここで突破口となったのが、「ブランド力の強化」という視点での訴求でした。
この展示会は、セレクションに合格しなければ出展できない、非常にレベルの高いものであり、参加するだけでも業界内での信頼性や認知度が大きく高まります。
展示会後には単価の高い案件の受注や、新たな販路拡大が見込めることを説明し、単なる販促活動ではないという点を強調しました。
さらに、事前に作成した事業計画書には、今後の販売戦略、ターゲット顧客層などを盛り込み、展示会出展が「戦略的投資」であることを理解してもらえるよう工夫しました。
このような説明が奏功し、信用保証協会も承諾してくれました。
展示会以外の安定収益が返済能力の裏付けに
もう一つの重要なポイントは、「展示会の成否にかかわらず返済可能である」という現状の安定性です。
相談者様の事業は、開業から6年間で安定的に利益を出しており、経費が少ない業種の特性も相まって、毎期数百万円の純利益を計上していました。
この安定収益があることで、たとえ展示会での売上が期待通りにいかなくても、既存の事業収益から十分に返済が可能であるという説明が可能になりました。
実際に過去の決算書をもとに、毎月のキャッシュフローを提示し、「万が一のケースでも問題ない」ことを保証協会に明確に伝えました。
結果として、信用保証協会は当初減額を検討していたものの、銀行担当者やその上席の説得もあり、満額での保証を決定。
展示会という特殊な資金使途であっても、現実的な返済計画と安定経営の実績があれば、十分に審査を突破できるという好事例となりました。
葛飾区全域で活用できる融資成功のヒント
他地域の個人事業主にも当てはまるポイント
今回の柏市での融資成功事例は、特定の業種や条件に限ったものではなく、資金調達に悩む多くの個人事業主にとって参考になる汎用性の高い内容を含んでいます。
特に以下のポイントは、柏市だけでなく葛飾区をはじめとする他地域の事業主にも共通して活用できるものです。
- 明確な資金使途と事業目的の提示
単に「お金が必要です」と伝えるのではなく、「なぜ」「どのように使い」「どう返済するのか」を具体的に説明することが重要です。
特に成長戦略や事業拡大の見通しと結びついた資金使途であれば、金融機関側も前向きに検討しやすくなります。 - 過去の実績を根拠とした返済計画
確定申告書や決算書に基づいて、過去の売上や利益、キャッシュフローを客観的に説明できることが、信用保証協会や銀行からの信頼につながります。
「数字で語る」準備をすることで、説得力が格段に増します。 - 行政書士など専門家の伴走によるサポート
金融機関や信用保証協会とのやりとりは、書類の整備や説明の仕方一つで大きく結果が変わることがあります。
専門家が間に入ることで、審査側に“伝わる”書類づくりと交渉が可能になり、スムーズな資金調達へとつながります。
葛飾区には地元密着型の金融機関も多く、事業者としっかり向き合ってくれる土壌があります。
今回のように、戦略的な準備と丁寧な説明、専門家の支援があれば、高額な融資でも成功させることは十分に可能です。
まとめと結論(葛飾区の個人事業主向け)
実際に起きた融資成功事例を通じて見えてきたのは、資金調達には「準備」と「戦略」が欠かせないということです。
特に信用保証協会付き融資のように審査が厳格なケースでは、事前の情報整理と、相手に納得してもらえる資料の提示が融資成否を左右します。
融資成功の鍵は「戦略的な資料」と「行政書士の伴走」
今回の事例では、展示会出展という一見投機的とみなされがちな資金使途を、「ブランド力強化による成長戦略」として明確に説明し、過去の安定収益をもとに返済可能性を裏付ける資料を整えました。
この一連の準備を、行政書士として私が伴走することで、審査担当者にとって理解しやすい形に整えることができたのです。
信用保証協会や銀行との交渉の重要性
もう一つ大きなポイントは、金融機関や保証協会の担当者との信頼関係と交渉力です。
融資は単なる事務手続きではなく、人と人との対話によって進んでいくものです。しっかりとした資料と明確な説明があることで、担当者も案件に前向きに取り組んでくれます。
今回のように、銀行担当者の後押しや上席の理解が審査突破につながるケースは少なくありません。
葛飾区で資金調達にお困りの方は、ぜひ早い段階から専門家に相談し、戦略的に準備を進めてください。適切な方法をとれば、たとえハードルが高く見える融資でも、実現する道は必ず見えてきます。
行政書士に相談する理由とお問い合わせ情報(葛飾区エリアに対応)
専門家の視点でのサポートが成功への近道
信用保証協会付き融資をはじめとした資金調達は、書類の内容や担当者とのコミュニケーションの仕方一つで結果が大きく変わります。
そうした状況の中で、行政書士は「事業者の言いたいことを金融機関に伝える翻訳者」としての役割を果たすことができます。
私たちは、確定申告書や決算書の読み取りから資金使途の整理、事業計画書の作成など総合的に支援します。実務経験を通じて得た審査傾向や交渉のポイントを踏まえて、依頼者がより有利に審査を進められるようサポートいたします。
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