赤字決算というだけで、金融機関からの融資は難しい——そう考える事業者は少なくありません。
特に創業間もない個人事業主や中小企業にとって、資金繰りは生命線。しかし、決算が赤字でも、適切な準備と専門的なサポートを受けることで、融資の道が開けることもあるとご存じでしょうか。
今回ご紹介するのは、千葉県松戸市で軽貨物運送業を営むAさんの実例です。
Aさんは合同会社を設立してわずか2年目。第1期の決算では赤字に加えて債務超過という厳しい財務状況に直面していました。
それでもなお、日本政策金融公庫から約400万円の融資を受けることに成功し、その後の事業拡大に繋げることができました。
この記事では、赤字決算という不利な状況を乗り越え、融資を実現したAさんの挑戦の軌跡と、そこに行政書士としてどのように関わったのかを、具体的な事例を交えてご紹介します。
鎌ヶ谷市をはじめとする地域の中小事業者の皆さまにとって、今後の資金調達のヒントとなることを願っております。
赤字決算の軽貨物業者が直面した課題
松戸市で軽貨物運送業を営むAさんは、法人設立からわずか2年目でありながら、さまざまな経営課題に直面していました。
創業間もない事業者にとって、安定的な売上を確保するまでの道のりは決して平坦ではありません。特に資金調達の面では、財務状況が大きな壁となることがあります。
決算書の赤字・債務超過・手持ち資金の少なさ
Aさんの1期目の決算書では、損益計算書(P/L)が営業赤字を示しており、貸借対照表(B/S)では債務超過という厳しい内容でした。
さらに、手元の運転資金も数十万円しかなく、日々の業務を回すのがやっとという状態。
こうした状況は、日本政策金融公庫などの金融機関にとって、融資判断を慎重にさせる要因となります。加えて、個人のカードローンも残っており、審査上のネガティブ要素が重なっていました。
下請け昇格によるビジネスチャンスの到来
そんな中でも、Aさんの事業には明るい兆しが見えていました。
これまで大手運送会社の2次下請けとして働いていたAさんは、3か月前に1次下請けへと昇格。それに伴い運送料の単価が上昇し、直近の月商は200万円前後まで伸びていたのです。
この昇格により利益率の向上が見込まれることから、今後の黒字化は十分に期待できる状況でした。こうしたポジティブな要素を金融機関にどう伝え、融資につなげるかが大きな鍵となりました。
融資成功に向けた行政書士のサポート内容
Aさんのように赤字決算かつ債務超過の状態では、金融機関への説明資料が不十分であると、融資が通らないリスクが高まります。そこで重要なのが、専門家のサポートです。
今回は、行政書士として、状況の正確な把握から資料作成、そして融資獲得まで一貫した支援を行いました。
日本政策金融公庫との事前協議と可能性の確認
まず行ったのは、日本政策金融公庫の担当職員との事前相談です。
Aさんの現状と将来性を整理したうえで、赤字決算であっても融資の可能性があるかを確認しました。
具体的には、1次下請け昇格による単価向上や、売上の伸びといった好材料を説明。
また、代表者からの借入金が実質的に資本に近い形で事業に投入されていた点も踏まえ、実質的な資産超過として評価できることを伝えました。
この事前の情報共有により、公庫側でも「融資の可能性はある」という前向きな返答を得ることができました。
実現可能な事業計画書と補足資料の作成ポイント
次に取り組んだのが、融資審査において最も重視される「事業計画書」の作成です。
Aさんと打ち合わせを重ね、直近数ヶ月の売上実績や支出状況をもとに、あくまで“控えめで現実的”な数値で構成しました。
具体的には以下のような資料を作成・提出しました。
- 日本政策金融公庫のフォーマットに準拠した事業計画書
- 事業内容や展望を詳細に記した補足説明資料
- 36ヵ月分の損益計画書
- 12ヵ月分の資金繰り表
- 大手運送会社からの支払明細書(売上向上の証拠)
これらの書類により、「この事業計画なら返済に問題がない」と判断され、実際の融資審査につなげることができました。
日本政策金融公庫からの融資決定とその後の展開
赤字決算や債務超過という厳しい条件下であっても、適切な準備と実現可能性の高い事業計画があれば、融資の道は開かれるケースがあります。
Aさんの事例では、その努力が実を結び、日本政策金融公庫からの融資決定という結果につながりました。
減額されながらも約400万円の融資を獲得
融資審査の過程では、やはり赤字決算や手持ち資金の少なさがネックとなり、希望額からは多少の減額がありました。
しかし、行政書士が作成した資料とともに、Aさん自身が丁寧に事業の見通しを説明したことで、日本政策金融公庫側も納得。
最終的には、当初の希望額より減額されながらも、約400万円の運転資金の融資が承認されました。これは、資金繰りに悩んでいたAさんにとって、大きな前進となりました。
外注先の確保と売上増加で月商450万円超えへ
融資資金を得たAさんは、すぐに外注先の確保に動きました。
これにより、受注可能な業務量が一気に拡大。大手運送会社との取引も広がり、半年後には月間売上が450万円を超えるまでに成長しました。
この売上の増加は、事業計画書で予測していた「黒字転換の見込み」が現実のものとなったことを意味します。結果的に、金融機関に対しても信頼性が高まり、今後の追加融資や他の資金調達にも有利に働くことが期待されます。
鎌ヶ谷市周辺でも応用可能な融資対策のポイント
Aさんの事例は、松戸市に限らず、鎌ヶ谷市や近隣地域で事業を営む多くの中小企業や個人事業主にも参考になる内容です。
とくに、赤字決算という状況に直面している方にとっては、資金調達の可能性を広げるヒントが詰まっています。
赤字決算でも資産超過の判断が重要
決算書の表面上は赤字であっても、金融機関が重視するのは「返済能力があるかどうか」です。
Aさんのように、代表者からの借入れが実質的に資本と同等の性格を持っている場合、それを考慮して「実質的な資産超過」として評価されることがあります。
このように、貸借対照表の項目を単なる数値ではなく、背景や内容まで説明することで、金融機関の見方を変えることができます。行政書士などの専門家と連携して、状況を正確に伝える工夫が必要です。
実績をベースにした計画書作成のコツ
融資審査では、事業計画書の信頼性が非常に重要です。
Aさんの事例では、直近の売上実績をもとに、無理のない数値設定で売上・経費・利益を見積もりました。過度に楽観的な計画は信用を失う原因になりかねません。
また、売上の根拠として支払明細書を提出するなど、客観的な裏付けを持たせることもポイントです。経費についても、漏れなく見積もることで、実際の資金需要や返済能力を適切に示すことができます。
これらの工夫は、鎌ヶ谷市周辺で資金調達を検討している事業者にもそのまま応用可能な方法です。特に創業間もない企業や、財務面で不安のある事業者にとって、計画の「現実性」と「根拠」を整えることが融資成功の鍵となります。
まとめと結論:赤字でも可能性を見極めれば融資は通る
赤字決算という状況は、確かに融資審査において不利な要素となります。
しかし、事業の実態や将来性を的確に示すことができれば、融資の可能性は十分にあります。本件の軽貨物業者Aさんの事例がまさにその証明です。
決算書の見た目だけで判断されないよう、実質的な資産状況を説明し、今後の収支計画を明確に提示する。そして、過去の実績を裏付けとして、現実的な事業計画を丁寧に作り上げる。これらのステップを一つひとつ丁寧に行うことが、融資成功への近道です。
また、行政書士などの専門家が間に入ることで、金融機関への伝え方や資料の質が格段に向上し、審査通過の確率も高まります。赤字決算だからといって諦めるのではなく、「可能性をどう見せるか」が問われているのです。
資金繰りに悩む事業者の皆さまにとって、Aさんのような事例は勇気と希望を与えるものではないでしょうか。赤字であっても、正しく準備を進めれば道が開けることがあります。
まずは自社の状況を整理し、一歩踏み出してみることが大切です。
行政書士に相談する理由とお問い合わせ情報(鎌ヶ谷市エリア対応)
赤字決算や債務超過といった厳しい状況でも、事業の可能性を正しく伝えられれば融資は実現可能です。
しかし、金融機関に対して適切な資料を作成し、審査のポイントを的確に押さえるのは容易ではありません。こうした場面で心強いのが、行政書士のサポートです。
行政書士は、融資に不可欠な決算内容の判断、必要な事業計画書や資金繰り表、補足資料の作成はもちろん、日本政策金融公庫との事前相談や申込手続きのサポートまで、ワンストップで対応可能です。
「赤字だけど融資を受けたい」「事業を拡大したいが資金が足りない」とお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。初回相談は無料で対応しておりますので、まずは現状を一緒に整理し、可能性を探ってみましょう。
【お問い合わせ先(鎌ヶ谷市対応)】
かきざき行政書士事務所
住所:千葉県松戸市西馬橋4-430
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