知らないと危ない…創業融資に落ちる典型パターンを行政書士が紹介

知らないと危ない…創業融資に落ちる典型パターンを行政書士が紹介

創業融資は、これから事業を始める方にとって大きな後押しとなる資金調達方法です。

しかし、実際には「申し込んだけれど落ちてしまった」「どこを改善すれば良いのか分からない」という声が多く聞かれます。特に日本政策金融公庫の融資は、銀行融資と比べて利用しやすいと言われる一方で、審査のポイントを理解していないと予想以上に厳しい結果になってしまうことも珍しくありません。

創業融資の審査基準はどこを見ているのか?

創業融資の審査では、主に以下の4つがチェックされます。

  1. 自己資金の有無と積み方
     どれだけ自己資金を貯めてきたかは「事業への準備度」を測る重要な指標とされています。
  2. 開業予定の業種における経験の有無
     全く経験がない業種での創業は、成功可能性が見えにくく、審査上不利になります。
  3. 個人の信用情報(カードローンの残債・延滞履歴など)
     返済能力を判断する上で、信用情報は非常に大きな要素です。
  4. 事業計画書の内容の妥当性
     売上や費用の根拠が曖昧だったり、計画に説得力がない場合、融資は通りにくくなります。

これらのポイントは全国共通で、地域差はほとんどありません。そのため、創業融資に通るためには、どの地域でも「基本を押さえた準備」が重要となります。

創業希望者がつまずきやすいポイント

当事務所の相談事例を見ると、創業希望者が陥りやすい共通点には以下のようなものがあります。

  • 自己資金がゼロ、または少なすぎる
     「フルローンで借りたい」という相談は多いですが、審査ではまず通りません。
  • 業種経験がほとんどないまま開業しようとしている
     未経験で飲食店を出したい、エステを開きたいといった相談は非常に多いです。
  • カードローンの残債が多い・延滞履歴がある
     借入が多いまま申し込んでしまい、審査で不利になるケースが多数あります。
  • 事業計画書が数字の根拠に乏しい
     「なんとなく売れそう」「周りにお客さんが多いはず」という感覚だけでは審査は通りません。

これらの失敗ポイントを理解せずに申請してしまうと、せっかくの創業のチャンスを逃してしまう可能性があります。

本記事では、行政書士の視点から「創業融資に落ちる典型パターン」を分かりやすく解説し、どの地域でも通用する対策方法を紹介していきます。

創業融資に落ちる典型パターンとは?

創業融資の審査では、どの地域・業種でも共通してチェックされるポイントがあります。
日本政策金融公庫や金融機関は、それぞれに審査基準を持っていますが、「返済できる見込みがあるか」「事業が継続できるか」という基本的な視点は変わりません。
ここでは、よく見られる審査NG理由を行政書士の視点から解説します。

自己資金がゼロ・不足しているケース(行政書士の視点で解説)

創業融資に落ちる理由として最も多いのが「自己資金の不足」です。

金融機関は、自己資金を“事業に対する準備度の証拠”として見ています。
例えば、開業に300万円必要な事業計画を提出しているにもかかわらず、自己資金が10万円程度しかない場合、「貸し出しリスクが高い」「本当に事業を続ける覚悟があるのか」というマイナス評価を持たれてしまいます。

また、自己資金には「預金の積み上がり」も同時に重視され、一度に大金が振り込まれているケースや、知人からの急な借入は“見せ金”と判断される可能性があります。
行政書士としても、申請前に少なくとも開業資金の2〜3割程度は自己資金を確保し、毎月コツコツ積み立ててきた履歴を提示することを推奨しています。

開業予定の業種に経験がないケース

経験のない業種での創業は、融資審査では大きなマイナスポイントとなります。

たとえば、飲食業界の経験がほとんどない人が飲食店を開きたいというケースは非常に多く見られます。
しかし、経験ゼロでは「事業がうまくいく根拠がない」と判断され、審査通過が難しくなります。融資担当者が重視するのは「これまでの経験と事業の関連性」です。
もし未経験の業種に挑戦したい場合は、フランチャイズに加入するなど、経験不足を補うことで不安要素を軽減できます。

カードローンの多額残債や延滞履歴があるケース

個人信用情報は審査において極めて重要な要素です。

カードローンの残債が多額にある人や、過去に支払いの延滞がある人は、「返済能力に問題がある」と判断されやすくなります。
特に延滞履歴は、短期間であっても金融機関に不信感を与えます。

行政書士としても、申請前に信用情報を開示し、延滞や多額の借入がある場合は整理した上で申請することを強く推奨しています。また、クレジットカードの支払い遅れも履歴に残る場合があるため、普段の金銭管理の甘さが審査に影響することもあります。

事業計画書の完成度が低いケース(数字の根拠不足など)

事業計画書は創業融資の審査において最重要書類と言えます。

しかし、実際に提出される計画書には「根拠のない売上予測」「経費の見積もりが甘い」「事業内容がわかりずらい」といった問題が頻繁に見られます。

例えば、飲食店で「席数×回転率×単価」で算出される売上根拠が曖昧だったり、競合との比較が主観的であったりすると、融資担当者は「計画の実現性に疑問がある」と判断します。
行政書士としても、数字の根拠が明確で客観的な資料を添付すること、そして事業の強みや差別化を具体的に説明することが不可欠だと考えています。

これらの典型パターンに当てはまる場合、創業融資は通りにくくなります。しかし、逆に言えば、それぞれの問題を丁寧に改善していくことで、融資通過の可能性は大きく高まります。

行政書士が解説する創業融資の注意点

創業融資の審査では、「返済可能性」と「事業の実現性」を中心に、複数の視点から申請者の状況が判断されます。

行政書士として相談を受ける中で、特に重要だと感じるのは、審査担当者がどのような項目を見ているのかを理解し、それに合わせた準備を整えることです。ここでは、創業融資に臨む際に押さえておくべき注意点を、専門家の視点から整理して解説します。

自己資金の正しい積み方と見られ方

自己資金は創業融資の審査における基礎中の基礎であり、「どのように貯めたか」までチェックされます。特に重要なのは“積み上がり”です。
毎月の収入から少しずつ貯めていくことで、金融機関に「計画性がある」「起業に向けて準備をしてきた」と判断されやすくなります。

一方で、急にまとまった金額が口座に入金されると「見せ金ではないか」と疑われ、自己資金として認められない場合があります。
また、家族からの援助金は一部認められることもありますが、それだけに頼るのはリスクがあります。
行政書士としては、最低でも開業資金の2〜3割を自己資金として準備し、通帳の履歴がしっかり積み上がっている状態で申請することを推奨しています。

経験不足を補うために必要な準備

開業予定の業種に経験がない場合、そのままでは融資審査で不利になってしまいます。

しかし、事前準備を丁寧に進めることで、そのリスクを大きく軽減することが可能です。たとえば、フランチャイズに加盟して経営支援を受けるなどの行動は、審査に対する好印象につながります。
また、経験豊富なパートナーを迎え、事業運営をサポートしてもらうという方法もあります。

個人信用情報が悪い場合の改善ポイント

カードローンの多額残債や延滞履歴は、創業融資の審査において大きなマイナス要因です。

しかし、過去の遅れや借入があるからといって、全く融資が受けられないわけではありません。
まずは、自身の信用情報を開示し、現状を把握することが第一歩です。
その上で、多額の残債がある場合は、返済を進めて借入額を減らし、返済履歴を良好にする努力が必要です。
延滞履歴がある場合でも、数年前に軽微なものであれば、問題ないことがあります。

審査に強い事業計画書の作り方(行政書士が見るポイント)

事業計画書は創業融資の合否を左右する最重要書類です。

行政書士として多くの計画書を支援してきた経験から、審査に強い計画書には共通点があります。
まず、売上計画に「明確な根拠」があること。
たとえば飲食店であれば、席数・回転率・単価を具体的に示し、その数字の根拠となるデータも示す必要があります。

次に、経費の見積もりが現実的であること。
人件費や家賃、仕入れなどの固定費は過小に見積もると信用を失います。また、競合分析が具体的で、差別化ポイントが明確であることも重要です。

さらに、事業の強みや自身の経験・スキルをどう活かすかを文章で丁寧に説明することで、「この事業なら成功する」という説得力が高まります。

これらの注意点を意識して準備することで、創業融資の審査通過率は大きく向上します。
行政書士としては、申請前に一つひとつの項目を丁寧に整え、万全の状態で審査に臨むことをおすすめします。

実際に創業融資を受けた整体院の事例はこちら

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その他の創業融資対策

日本政策金融公庫や金融機関が重視するのは、「事業が継続できるか」「返済能力があるか」という全国共通の視点です。そのため、どの地域でも通用する“普遍的な融資対策”を押さえておけば、創業融資の合格率は大きく向上します。ここでは、前項目以外に効果を実感している対策をまとめました。

面談対策の基本

創業融資の面談では、事業計画書の内容と申請者の言葉に一貫性があるかが最も重要です。

面談担当者は、数字だけでは判断できない「経営者としての姿勢」「事業への理解度」を確認しています。まず、事業計画書を読み込み、売上予測や仕入れの根拠、資金繰りの流れを自分の言葉で説明できるようにしておくことが必須です。
また、競合との差別化ポイントや事業の特徴などもスムーズに説明できる準備が必要です。
行政書士としても、「計画書をただ書くだけではなく、自分自身の言葉で語れるか」が合否を大きく左右すると感じています。

資金繰りの考え方

資金繰りが正しく理解できているかどうかは、創業融資の審査において非常に重要です。

資金繰りとは、「お金の出入りの流れ」を管理することで、どれだけ利益が出ても資金繰りが破綻すれば事業は続けられません。
審査担当者は、「開業直後の運転資金をどれだけ確保しているか」「黒字化するまでの資金ショートを回避できる計画があるか」を見ています。

例えば、売掛金が発生する業種では入金サイトが遅れるため、現金が手元に残りづらくなります。
こうした特性を理解した上で、余裕を持った運転資金を計上しておくことが重要です。
また、固定費(家賃・人件費など)と変動費を分けて計算し、月次での資金繰りを予測できるような計画書になっていると、審査での評価が高まります。

創業後の売上計画の立て方

売上計画は、創業融資の審査において最も注目される部分のひとつです。

売上に根拠がないと、事業の実現性が疑われ、融資の通過が難しくなります。
まず重要なのは、売上の算出方法を明確に示すことです。飲食店であれば、「席数 × 回転率 × 客単価」という形で具体的に計算し、その根拠となるデータ(市場調査・競合の稼働状況・立地の特性)を示すと説得力が増します。

物販やサービス業の場合も、「客数 × 単価 × 購入頻度」のように、具体的な数字に落とし込みます。
また、売上が伸びる時期・落ち込む時期の季節要因も考慮し、年間を通じて現実的な計画を立てることが重要です。

行政書士としては、過大な売上計画は避け「保守的な数字」で作成し、「実現可能かつ返済に問題がないライン」で作成する方法を推奨しています。

これらの対策、地域差の影響を受けにくい基礎的なポイントです。創業融資の審査は難しく見えがちですが、実際は「基本を丁寧に押さえること」が最も効果的な対策となります。

まとめと結論(創業希望者向け)

創業融資は、これから事業を立ち上げる方にとって非常に重要な資金源であり、多くの創業者が最初に直面する大きなハードルです。

どの業種であっても、審査で見られるポイントは共通しており、「返済可能性」「事業の実現性」「申請者の姿勢」の3つが主軸となります。
本記事では、創業融資が落ちる典型的なパターンと、行政書士の視点から見た対策を解説してきました。最後に、創業融資に落ちないために押さえるべき重要ポイントを総まとめとして整理します。

まず最も重視されるのが自己資金の準備状況です。
自己資金は「お金の量」だけではなく、「どのように貯めてきたか」も審査に影響します。毎月コツコツ積み上げた履歴があると、金融機関から「計画性と準備度がある」と判断され、審査が進みやすくなります。逆に、急に入金されたまとまった金額は見せ金と疑われやすく、審査で不利になります。創業を意識した時点から、計画的に貯蓄を進めることが最重要です。

次に、開業業種の経験があるかどうかです。
経験のない業種での創業はリスクが高く見えるため、そのままでは融資通過が難しい場合があります。しかし、フランチャイズに加盟する、専門家のパートナーを味方にするなど、経験不足を補う行動を積み上げることで評価は大きく改善します。
審査担当者に「この人ならやっていける」と思ってもらうためには、準備の丁寧さが欠かせません。

また、個人信用情報は創業融資の合否に直結する重要な項目です。
カードローンの多額の残債がある、過去の延滞履歴があるというだけで、審査は一気に厳しくなります。申請前に信用情報を確認し、返済可能な借入は整理しておくことが望ましいです。

さらに、事業計画書の完成度は創業融資の成否を最も左右します。
売上計画の根拠が曖昧だったり、経費の見積もりが甘かったりすると、「実現性が低い」と判断されやすくなります。事業内容の詳細・自社の強み・差別化ポイント・資金繰りの見通しなど、数字の裏付けと具体性が不可欠です。
行政書士として多くの事業計画書をサポートしてきた経験から言えるのは、「数字とストーリーの一貫性」が審査担当者の信頼を得る最大の鍵ということです。

最後に、創業融資は「準備をした人が通る仕組み」であり、運やタイミングではありません。
本記事で紹介したポイントを押さえて丁寧に準備すれば、創業融資の通過率は確実に高まります。どの業種でも共通して使える対策ばかりですので、一つずつ確実に整え、万全の状態で申請に臨むことをおすすめします。

創業は人生の大きな挑戦ですが、正しい知識と準備があれば、融資という大きな壁も越えることができます。

行政書士に相談するメリットとお問い合わせ案内

創業融資は、単に必要書類を揃えれば通るものではありません。
審査に通るためには、「計画書の完成度」「面談での受け答え」「個人信用情報の整理」「自己資金の積み上げ方」など、多くの要素を総合的に整える必要があります。
こうした準備を一人で行うのは大変で、創業希望者から「どこから手を付けたらいいか分からない」という相談が後を絶ちません。
そこで役立つのが、創業支援に経験のある行政書士のサポートです。専門家が伴走することで、融資成功率は格段に高まります。

専門家が伴走することで融資成功率が上がる理由

行政書士は、日本政策金融公庫や金融機関の審査傾向を理解しており、融資担当者がどこを重視するのかを熟知しています。
特に、事業計画書の記載内容や、面談で問われる内容、書類の整え方など、審査に影響するポイントを正確に把握しています。そのため、申請者が気づかない抜け漏れを事前に防ぎ、審査担当者が納得しやすい形に整えていくことが可能です。

また、行政書士が伴走することで「客観的視点」が追加される点も非常に大きなメリットです。
創業者本人は自分の事業に強い思い入れがあるため、数字の根拠が弱かったり、競合分析が甘かったりしても気づかないことがあります。
専門家の視点で計画書の内容を精査し、説得力のある形に仕上げていくことで、審査での評価を大きく高められます。

行政書士に依頼する具体的なメリット(事業計画書作成・面談対策など)

行政書士に依頼する利点は多岐にわたりますが、特に次の3点は創業融資において大きな効果を発揮します。

  1. 審査に強い事業計画書の作成サポート
     売上計画の根拠づくり、事業の強み、資金繰りの設計など、数字とロジックに基づいた計画書を専門的に作成できます。金融機関が納得できる形に仕上げることで、審査の通過率が大幅に上がります。
  2. 面談対策の実施(想定問答の作成・ロールプレイ)
     創業融資の面談は、「経営者としての姿勢」を見られる重要な場です。行政書士とともに対策をすることで、面談当日の緊張を軽減し、自信を持って回答できるようになります。
  3. 個人信用情報の整理・改善アドバイス
     カードローンや延滞履歴がある場合、どのタイミングで申請すべきかといった判断を専門家が助言できます。

創業融資は、正しい準備をし、専門家とともに進めることで成功率が大きく変わります。
「融資に失敗したくない」「何から手をつければよいか分からない」という方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたの創業を、全力でサポートいたします。

ご相談はこちら|創業融資サポート専門【かきざき行政書士事務所】