「起業するにはお金が必要だ」
「であれば、銀行から借りよう!」
「しかし、果たして貸してくれるのだろうか?」
創業時に銀行から融資が受けられるのか書きました。
少しでもお役に立つ内容であれば幸いです。
[su_list icon=”icon: chevron-right” icon_color=”#7d8cd9″]
- この記事は以下の内容で構成しています。
- 銀行は信用保証協会の保証を付けて融資をする
- 信用金庫、信用組合を使う
- 金融機関から融資を受けるまでの流れ
- 日本政策金融公庫という選択肢
- 今後のことも考えて選ぶ
[/su_list]
銀行は信用保証協会の保証を付けて融資をする
まだ実績がない事業に、銀行は融資するのでしょうか?
もちろん融資はします。
ただし、信用保証協会という公的機関の保証をつけて融資します。
このような対応をする金融機関がほとんどです。
信用保証協会とは
信用保証協会とはなんでしょうか?
ざっくり説明すると、
信用保証協会は銀行の融資先が返済不能になった場合、債務者に代わって銀行にお金を返してくれる機関です。
万が一の時でもお金は返ってくるので銀行にとってはリスクがほとんどなくなります。そのため創業企業にも融資ができる、という仕組みになっているのです。
(債務者は保証協会に返済をします)
銀行単独では、実績も何もない、これから創業する人に貸すのはリスクが高すぎるのです。
そのため、信用保証協会という保証をつけるのが融資の条件になっています。
信用金庫、信用組合を使う
さて、創業融資は基本的に信用保証協会の保証が必要になるわけですが、
どの金融機関に行くべきかも重要です。
銀行と聞いてまず思い浮かぶ金融機関はどこでしょうか。
CMなどでお馴染みのメガバンクの名前が思いつきそうです。
どうしても知名度があるので規模の大きな銀行が頭に浮かんできます。
しかし、メガバンクは創業融資のような金額の小さい案件は好んで行いません。
また、業績が悪くなるとドライな対応をするケースがあったりもします。
なので、開業後のことも考えると個人的にはあまりおすすめはできません。
ではどこに融資を申し込むかといえば、信用金庫や信用組合といった地域密着の金融機関です。
小規模な組織なのでメガバンクや地方銀行と比べると、少し金利は高いですが、創業融資のような数百万単位の融資も積極的に行ってくれます。
なかには信用保証協会の保証が無くても融資をする信用組合もあらわれはじめました。
(第一勧業信用組合など)
また、開業後も担当者とコミュニケーションが取りやすく、こちら側から積極的に情報を開示していけば、業況が悪くなっても支援してくれるという一面もあります。
したがって、創業融資は信用金庫や信用組合を使っていく。というのがおすすめです。
金融機関は段階的に選ぶ
メガバンクや、地方銀行はある程度自社の規模が拡大してきてから段階的にお付き合いをしていく。
というように金融機関の使い方を意識していくというのも大切です。
たとえば、年商が10億になったとすると平均月商で8千万円になるため、創業時の公庫や信金だけでは支えきれなくなります。
そのため、会社の成長に合わせて規模の大きなメガバンクや第一地銀などとの取引を開始する必要がでてきます。
このように、戦略的に金融機関を選択していくと良いでしょう。
金融機関と良好な関係を作る
創業時に融資を受けられたら、それで終わりではありません。
その後も大切です。
担当者に自社の情報を伝え、金融機関と信頼関係を築いていくのです。
関係を構築していくと金融機関側から融資の提案を受けることができるようになります。
たとえば、3ヶ月に一度というように定期的に自社の実績(損益、資金繰りなど)と今後の方針を担当者と共有していきます。
するとある時「そろそろどうですか?」という具合で借入れの話がされるのです。
このようなことは金融機関に自社の状況を理解してもらう活動を積極的に行ったからこそできることです。
一度借りたらそのままという企業には起こりにくい出来事です。
したがって、必要な時にいつでも支援を受けられるように上手にお付き合いをしていくとよいでしょう。
民間金融機関から融資を受けるまでの流れ
信金など民間金融機関で創業融資を受けるための流れは以下の通りです。
店舗を借りるなら物件を決める
物件によって金額が異なるため、具体的に決めて必要な金額を確定させる必要があります。
また、場所が決まらないと審査自体ができません。
店舗の契約料、内装工事費、設備や機械の見積書を取り寄せる
これらの各費用は高額になります。設備資金として融資を受けられるので、業者からの見積書がその疎明資料として必要になります。
事業計画書を作成する
金融機関に行く前に事業計画書を完成させておくのがおすすめです。
事業計画書と見積書などといった資料を持って行くことで、最初の相談時から具体的な話を担当者とすることができます。
金融機関を選ぶ
前掲のとおりおすすめは信金や信組です。
千葉県信用保証協会は原則的に金融機関経由で審査をしています。
したがって、銀行や信金が信用保証付き融資の窓口となっています。
金融機関に資料を持って相談に行く
金融機関に行く際は準備した資料を持って行きましょう。
事業計画書、預金通帳、見積書があるとよいでしょう。
融資を申し込む
担当者と事業内容や個人の資産状況を話し、融資ができそうだと判断されれば正式に融資を申し込みます。
申込み後、本格的な審査に入っていきます。
支店内稟議にかけられる
融資を申し込んだ金融機関の支店内で稟議にかけられます。
信用保証協会に案件が上げられる
申し込んだ銀行に前向きに検討されれば、信用保証協会に案件が持ち込まれます。
銀行側が厳しいと判断すれば保証協会に上げられません。
信用保証協会の職員と面談をする
保証協会に案件が上がると、信用保証協会の職員と面談があります。(たまに面談がないケースもあります)
事業計画書の内容、自己資金、経歴などさまざまなことを質問されます。
保証協会が諾否を決定する
面談後、数週間すると信用保証協会が保証の諾否を決定します。
保証協会がOKをだすと融資が決定する
保証協会が承諾した金額で金融機関も融資をします。
保証協会がNGをだすと基本的に融資は実行されません。
金融機関と契約を結ぶ
金融機関と金銭消費貸借契約を結びます。
金融機関に自分の口座を作る
融資を申し込んだ金融機関の支店に自分の口座を作ります。
口座に入金される
決定した金額から信用保証料を差し引いた額が口座に入金されます。
日本政策金融公庫という選択肢
以上はメガバンクや地方銀行、信用金庫、信用組合といった民間の金融機関から融資を受けるという話でした。
もう一つの方法として国の機関から直接起業資金を借りるという選択肢があります。
その機関とは「日本政策金融公庫」という国の金融機関です。
日本政策金融公庫は民間の金融機関が対応できない案件を補完する役割があるため、一般の銀行にとってリスクが高い創業企業にも積極的に融資をしています。
そして、日本一創業融資の実施件数があるのも日本政策金融公庫です。
この日本政策金融公庫から融資を受けるというのも選択肢に加えておく必要があります。
今後のことも考えて選ぶ
銀行から起業資金を借りることができます。
また、日本政策金融公庫という機関もあります。
どちらを選ぶのかという問題もでてきますが、一概に言い切ることはできません。
現在の状況や今後の展望なども考慮して選択するとよいと思います。
たとえば、以下のようなことも判断の材料になります。
・今後も金融機関からの融資が必要になるのか?
・創業時の融資だけでいいのか?
・必要な金額はどれくらいか?
・現在の個人的な資産状況はどうか?
・どの制度に自分はあてはまるのか?
etc..
開業後も定期的に融資が必要なら、民間の金融機関から創業融資を受けて、取引を始めておくことが考えられます。
一方、創業時の資金だけ調達できればよいのであれば、日本政策金融公庫だけを使うという選択肢もあります。
金額が大きいのであれば、信用金庫と日本政策金融公庫の協調融資という手法もあります。
現状だけでなく将来も見据えて、資金調達を行っていくとよいでしょう。