松戸市 開業資金の融資 通帳の審査されているポイントと対策

松戸市 開業資金の融資 通帳の審査されているポイントと対策

創業融資の審査では個人の通帳が必要です。
通帳の内容が審査されるわけです。
通帳の中身が融資の可否を左右することもよくあります。
金融機関は通帳で何を審査しているのか、そしてその対策を解説します。

この記事では以下のことに触れています。
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  • 金融機関が通帳で確認しているポイント
  • 創業融資の可能性を上げる通帳対策

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少しでもお役に立つ内容であれば幸いです。

金融機関が通帳で確認しているポイント

金融機関は通帳の内容から以下のようなことを審査しています。

・自己資金の金額はどのくらいあるのか。
・どのような過程で自己資金を貯めてきたのか。
・定期的な支払いは期日どおりに支払われているのか。
・大きな金額の入出金があった場合、それは何なのか。

というようなことを確認しています。

ちなみに審査の際、個人の預金通帳は半年~1年前までの履歴をさかのぼって見られています。
これは必ずです。

さて、通帳で自己資金を見るとさまざまな事がわかります。
たとえば以下のようなことです。
いくら融資できるのか、開業に向けてどのくらい準備をしてきたのか、お金の管理をしっかりできる人なのか、不審なお金の流れはないか。などがわかってしまいます。

したがって、事業計画や経歴がどんなに素晴らしくても、通帳によって自己資金の内容が悪いと判断されれば、それが原因でゼロ回答になることがあります。
そのくらい自己資金は創業融資において重要なポイントとなっています。

要するに、通帳がなければ創業融資の審査ができない、ということなのです。

自己資金の金額はどのくらいあるのか

まず、自己資金の金額を確認しています。
現在どのくらいの現金を持っているのかです。
このときの金額によって、融資できる金額も変わります。

自己資金は3分の1あると理想的

「総事業資金」の3分の1以上の金額が銀行口座にあると理想的です。
総事業資金とは、開業時にかかる設備資金と運転資金の総額を合計した金額です。

例を挙げてみます。

設備資金 400万円
運転資金 200万円
が事業に必要だとすると、合計600万円が総事業資金となります。

この600万円の3分の1である200万円を自己資金で持っていて、残りの400万円を融資で調達する。

このように3分の1を自己資金で。残りの3分の2を融資でまかなう。
ということができると理想的です。

逆に、上記と同じ600万円でも自己資金が80万円で、残りの520万円を融資で調達するとなるとかなり厳しくなります。
自己資金の金額が多いほど有利になるわけです。

どのような過程で自己資金を貯めてきたのか

自己資金は蓄積過程も評価の対象となります。

給料をコツコツ貯めるたものは理想的

たとえば、審査時の通帳残高が毎月の給料を貯めたものであれば理想的です。
なぜかというと、少しづつ貯蓄してきたということは、開業に向けて計画的に準備してきた、と評価できるからです。

とくに、日本政策金融公庫はこの「準備」を評価する傾向があります。
少しずつ長い時間をかけて貯蓄し「準備」してきたことがわかれば、多少自己資金が少なめでも希望通りの金額を融資することがあります。

支援金のみは評価が下がる

前掲のように、自分で貯めたお金ではなく、「通帳にある現金は全額、親族からの支援金です」という場合、自分で貯めた自己資金よりも評価は低くなってしまいます。
なぜなら、自己資金の重要な意味である「開業に向けた準備」として評価できないからです。

例を挙げます。
自分で貯めたお金 0円
親からもらったお金 200万円
合計 200万円

このような蓄積過程の自己資金200万円は、自分で貯めた200万円と比べると評価は下がります。

逆に次のような支援金であれば問題ありません。
自分で貯めたお金がそれなりにあって、少し不足するので支援金をもらうケース。

たとえば、
自分で貯めたお金 150万円
親からもらったお金 50万円
合計200万円

この場合であれば、自分で努力したうえに親族の応援もあると判断できます。

見せ金はNG

自己資金を増やそうとして一時的にどこかから借りてくることも考えられます。
ですが、基本的にこのような「見せ金」はバレてしまいます。
ひとつウソがばれると他のところまで疑われますのでやめましょう。

蓄積過程=お金の出所

以上のように、通帳のお金はどこから来たお金なのか、というところまで審査しています。
単純に自己資金の金額だけを審査対象としているのではないのです。

定期的な支払いは期日どおりに支払われているのか

自己資金といえば蓄積することに注目しがちですが、日常的な支払いもポイントとなっています。

支払い状況で確認していることは、「支払うべきものを期日どおりにしっかり支払っているか」です。

たとえば、毎月の電気代やガス代、携帯代、家賃などがこれにあたります。
要するに、毎月決まった期日に支払うものです。
期日どおりに支払っていれば、なにも問題ありません。

逆に支払いが頻繁に遅れていたり、滞っていたりすると、「お金にだらしない人」という評価をされてしまいます。
そのような人に本当に返済してもらえるのか、怖くてお金を貸すことができないわけです。

支払いにも気をつけましょう。

税金を納めているか

上記に付随して税金の滞納も要注意です。
納める義務があるのに納めていない場合、基本的に融資はできません。

これも「支払うべきものを支払っているのか」ということです。

また、融資には納税証明書を提出する必要があります。
この証明ができなければ、そもそも審査に入れません。

ただし、合法的に免税になっていて納める必要がない場合は利用できることがあります。

大きな金額の入出金があった場合、それは何なのか

多額のお金が一度に入金、出金していた場合も要注意です。

大きなお金の移動が通帳でわかった場合、担当者から質問されることがあります。
それがしっかりと説明でき、証拠が示せるものであれば問題ありません。

逆に、審査上好ましくないものであれば厳しくなります。
たとえば、「見せ金として誰かから一時的に借りたので多額の入金がある」といったケースはマイナス評価です。

以上のようなことがおもに審査されます。
もちろん、ここに書いてないお金の流れで審査担当者が気になったことがあれば質問されます。
そういった時は嘘をつかずに答えるしかありません。

創業融資の可能性を上げる通帳対策

ここからは創業融資の審査を通りやすくするための通帳対策を解説していきます。

自己資金をためる

自己資金は多ければ多いほど創業融資の可能性は上がります。

自己資金は「総事業資金の3分の1が理想」と書きましたが、それ以上に持っていればさらに有利です。

たとえば、総事業資金の2分の1持っていれば融資の可能性はもっと上がります。
前掲の例でいえば、600万円の2分の1の300万ですね。

自己資金が多いと、大きい金額の融資も可能

自己資金の金額が大きければ、融資を受けられる金額も大きくなります。

たとえば、自己資金が100万円で800万円の融資を受けようとすると、ハードルは高いです。
ですが、自己資金が400万円あれば800万円の融資も可能になります。

このように、自己資金があればあるほど、融資の確率、融資金額ともにプラスの効果があります。
逆にいえば、自己資金が少ないと、可能性、融資金額の両方とも厳しくなるということです。

自己資金=資本金ではない

株式会社や合同会社を設立して開業する方もいらっしゃると思います。
この時のよくある勘違いとして、法人設立時の資本金を自己資金と考えてしまう事です。

創業融資の際の自己資金=資本金の金額ではありません。
自己資金というのは、あくまでも「通帳にある事業用に使用する予定のお金」です。

たとえば、資本金100万円(資本金は使っていないものと仮定します)と、資本金の他に事業用に使う予定の手持ち資金が200万円の合計300万円あったとします。
この場合の自己資金は、資本金100万円+資本金以外の現金200万円の合計300万円になります。

こんな場合はプラス評価

プラスになる評価として以下のような事例もありました。

通帳には1000万円ほどあります。
そのうち生活費として300万円(開業後半年分)を別に取っておくことにしました。

このような場合、事業に使う資金は
1000万円-300万円(生活費)=700万円
という計算で700万円が自己資金になります。

生活費の300万円は事業用ではないので自己資金ではありません。

自己資金が1000万円から700万円に減ってしまうので評価は落ちそうな気がしますが、そうではありません。
このケースでは900万円の融資を希望していたので、自己資金が700万円あれば十分審査に通るのです。
そこで、300万円を余裕資金として別にしておくことで、不測の事態に備えることができます。
資金的な余裕があると金融機関も貸しやすくなるわけです。

自己資金は通帳で管理する

自己資金を作るときに注意することがあります。
それはお金を通帳で管理する必要があるということです。

なぜかというと、客観的に証明できないものは自己資金として評価されないからです。
お金の出どころが証明できるものだけが自己資金になります。

そのため、以下のようなケースは要注意です。

勤務先から振込みではなく、手渡しでもたった給料を200万円貯めて自宅に保管しています。
この場合、自分の通帳に入金履歴がないため、自宅の200万円はどこから来たお金なのかわかりません。
ということは、いくらお金を貯めても、そのお金が給料を貯めたものだと証明できません。

証明できないお金は自己資金として評価できないので、自宅の200万円はゼロ評価になってしまいます。
つまり、自己資金0円です。
これでは200万円を貯めてきた苦労が水のあわになってしまいます。

そうならないためにも通帳に「証拠を残す」必要があるのです。

上記のような手渡しで給料が支給される場合は、毎月必ず通帳に入れておくとよいでしょう。
同時に給与明細も保管しておきましょう。

支払いに気をつける

定期的な支払いも審査の対象になっています。
そのため、支払いが遅れたり滞っていたりすることのないように注意しましょう。
引き落としにするなど支払い漏れが起こらないようにするとよいでしょう。

自己資金の蓄積と同様に、支払いについても通帳で確認されますので、支払った証拠を残す必要があります。

その他の金融資産

自己資金以外の金融資産があればそれも伝えるとよいです。
株や債権、投資信託などさまざまあると思いますが審査担当者に言いましょう。
事業用に使うものではないですが、プラスαになります。

個人的な借入れに注意

住宅ローンや車のローンはさほど問題になりませんが、カードローンなど金利の高い借入れは要注意です。
日本政策金融公庫はこのような性質の借金をとても嫌います。
残高によっては融資を受けられませんので極力利用を控えましょう。

CICの異動情報

前項の借入れと関連しますが、公庫はCICという機関で個人の信用情報を見ています。(ほぼ必ず)
そこに「異動」という情報があると融資は受けられません。
「異動」とはいわゆるブラックリストと呼ばれるものです。
過去にクレジットカードや分割払いの支払いが遅れてしまった経験がある方は、ネット上でとれるので見てみるとよいと思います。CICと検索するとホームページがでてきます。

もしCICで異動情報がでてしまった場合、その情報が消えるまで日本政策金融公庫への申し込みは控えた方がよいでしょう。
この状態で申し込んでも否決されるだけでなく、公庫に否決理由として記録されるので、将来的に悪影響が残り続けてしまうからです。

以上が創業融資の可能性を上げるための自己資金対策です。

さいごに

ここまで、融資を受けるための通帳を使った自己資金対策を解説してきました。

審査のポイントとしては以下の通りです。

・自己資金の金額はどのくらいあるのか。
・どのような過程で自己資金を貯めてきたのか。
・定期的な支払いは期日どおりに支払われているのか。
・大きな金額の入出金があった場合、それは何なのか。

そして、対策は次の通りです。

・自己資金をためる。
・通帳でお金を管理して証拠を残す。(入金、出金共に)
・支払うべきものは期日を守って支払う。
・金利の高い借入れはしない。

ここに記載してきた対策ができていれば、自己資金として問題なく評価されます。
ぜひご参考になさってください。