柏市 創業融資 開業前と開業後どちらが借りやすいのか解説

柏市 創業融資 開業前と開業後どちらが借りやすいのか解説

開業時は融資を受けることができます。
開業する時の融資といっても、借りやすいタイミングがあります。
開業前後の数ヶ月の差でその難易度が変わってしまうことがあるのです。

そこで今回は開業前と開業後に分けてどちらの方が借りやすいのか、現場での経験を踏まえて解説していきます。
少しでもお役に立つ内容であれば幸いです。

[su_list icon=”icon: check”]

    この記事では以下の内容に触れています。

  • 創業融資は開業前が借りやすい
  • 開業後は借りにくいことが多い
  • 開業後でも融資を受けられたケース

[/su_list]

創業融資は開業前が借りやすい

いきなり結論から言ってしまうと、「開業後よりも開業前の方が断然借りやすい」です。
これは創業融資の申込み先である、日本政策金融公庫や信用保証付きの融資ともに同じになります。
今まで融資のご相談を何件も受けてきましたが、実績として開業後よりも開業前の方が融資された件数が多いです。
逆に開業後になってしまうと厳しい判断になることがほとんどです。

なぜ、開業前が有利で開業後が厳しいのか、この理由にも触れていきたいと思います。

まだ営業実績がない

開業前が融資に有利な理由として、まだ営業が開始していないということがあります。
開業前はまだ事業が始まっていません。
創業融資を申し込んで、融資が可決され、融資金をもとに物件や設備の購入などをするといった、いわば「融資ありきの開業」ということが多いです。

この段階では売上げもないため開業した後の成績は未知数です。
なので、黒字か赤字かといった営業実績が審査で加味されません。

反対に開業後数ヶ月経ってから融資を申し込む場合、売上と経費が共に発生しており、その事業の営業実績があります。この場合、数ヶ月でも利益が出て黒字であれば良いですが、赤字続きの場合どうでしょう。
金融機関としては数ヶ月の営業実績とはいえ、厳しく審査するでしょう。

開業前が「ゼロの状態」だとすれば、開業後で赤字続きだった場合「マイナスの状態」です。
つまり、マイナスよりもまっさらなゼロの時点の方が融資が受けやすくなるわけです。

開業前の審査基準

開業前に創業融資制度を申し込んだ場合、審査基準は以下のようになります。
ポイントとしては大きく3つです。

1,自己資金
2,開業業種の経験
3,事業計画書の内容

他にも細かい点も含めて総合的に審査しますが、この3点がクリアできていれば高い確率で融資は実行されます。

開業後の審査基準

開業後に創業融資を申し込んだ場合、ケースにもよりますが審査基準はこう変化します。

1,手持ち資金(審査時点の現預金)
2,開業業種の経験
3,事業計画書の内容
4,売上げや経費の実績(営業成績)

というように開業後は営業の実績も審査され、そのウェイトは大きいです。
前掲したように赤字続きであれば当然審査は厳しくなり、赤字の額によっては融資が受けられません。
また、仮に黒字であったとしても月商や経費の額などがわかる状態なので、その数値をもとに審査されて、希望通りの金額がでないことも考えられます。
要するに、開業後数ヶ月の実績がその会社の実力と判断されるわけです。

以上のように営業実績がある開業後よりも、何もないまっさらな状態の開業前の方が創業融資は受けやすくなります。
融資の可能性と共に「融資額」に関しても開業前の方が大きく借りられることが多いです。

開業後は借りにくいことが多い

この項目では実際にあった事例を紹介します。(数値等一部変更を加えています)
開業後の創業融資の案件ですが、この手のご相談はよくあるケースです。

概要

【業種】
フィットネス系の事業

【経緯】
自己資金約500万円をもとに開業。
約半年ほど営業するものの売上げは低迷。当初の自己資金が底をつきそうになりご相談へ。
これまでの各月の売上げは低く、赤字も累積しており、手持ち資金が少なく売上げが上向く見込みもなかったため、お断りをせざるを得なかった案件。
公庫の担当者と協議してみたがやはりできないとのことだった。

【もしも開業前に融資を受けていたら】
仮定の話になってしまいますが、もしこの相談者さんが開業前に創業融資を申し込んでいたらどうなっていたでしょうか。
この方の場合、自己資金は500万円程度あり、フィットネス業界の経歴もありました。
そのため、事業計画書をしっかり作って創業融資を申し込めば少なくとも500万円以上は融資を受けられたと推測できます。
そうすると手持ち資金を1000万円で始めることになります。
資金があれば赤字でも資金ショートまで時間を稼ぐことができます。その間に次の手を打つことだってできます。

もし開業前に融資を受けていれば、追い込まれる前に経営改善ができた可能性も考えられました。

上記のようなケースは多い

開業後の創業融資のご相談で上記のようなケースはよくあります。
つまり「自己資金のみで開業してしばらく営業したものの、業績が良くなく現金がなくなりそうなので融資を受けたい」といったことです。
当事務所を担当している公庫の職員も「こういうケースが一番やりにくい」と言っており、金融機関側としても融資しにくい状態と言えます。

開業前と比べると融資の難易度が段違いに高くなってしまうのです。

また、私の経験上ですが事例のようなご相談の場合、開業当初に潤沢な自己資金をお持ちの方が多いです。だから融資を受けずに開業するのだと思いますが、このように自己資金がある状態で開業前に融資を申し込めば、実行される可能性は高いです。要するに融資が受けやすい状態にあります。
したがって、自己資金のみで開業できる場合でも融資を受けて「潤沢な現金」を持っておくことが事業のために重要なことと現場にいると感じます。
現金はいくらあっても困ることはないのです。

開業後赤字続きで融資を受けるには

開業後の業績が厳しい状態で融資を受けるにはどうしたらよいでしょう。
たとえば、以下のようなことが挙げられます。

・開業から赤字ではあるものの、毎月赤字額は減っておりもうすぐ黒字化が確実視できる。ただそれまでの資金が厳しいので融資が必要。といったケース。
・開業したものの売上げが低迷している。そこで、売上げの支援もしてくれるFCに加盟して売上を伸ばしたい。そこでFCへの加盟金などの資金が必要。といったケース。

以上のように実績から好転する可能性が極めて高かったり、運営方法を大幅に転換し業況回復の実現可能性が高いなどの条件がいるでしょう。

開業後でも融資を受けられたケース

ここまで、開業後は創業融資を受けにくいと書いてきましたが、融資を受けられた事例もあります。

概要

【業種】
ネットショップ

【経緯】
開業1ヵ月目に売上げを作ることができた。今後取り扱い商品数を増やして売上げ増加を図りたい。ついては仕入れ資金を主な資金使途として創業融資を受けたい。ということでご相談へ。
結果として無事に満額の融資を受けられた案件。

【融資実行の理由】

開業後でもなぜ融資を受けることができたのでしょうか。
理由をまとめてみましょう。

・開業後とはいえ、融資の申し込みは開業の翌月なので、ほぼ開業と同時と言える。
・そのため、自己資金は減らず手元に十分ある。
・1ヵ月目の売上げは好調。
・1ヵ月目の実績をもとに根拠性が高い事業計画書を作り、返済も問題なくできることを示した。

つまり、開業後といっても営業実績はほとんどないため、将来の業績は未知数。したがって開業前の3つの審査基準の比重が大きかったと推測できます。1ヵ月目の実績は事業計画書の根拠として使えたので実現可能性を表すことができました。

このように開業して1~2ヶ月後には創業融資を申し込みたいところです。

さいごに

ここまで、開業前と開業後どちらの方が創業融資を受けやすいか、現場での実感を書いてきました。
私の経験上では開業前、または開業と同時だと創業融資を受けやすいです。

開業後数ヶ月経ってからの創業融資は厳しいことが多く、仮に借りることができたとしても減額対応されるなど、金額面で希望通りにならないことがあります。

であれば、自己資金だけで十分開業できたとしても、一番借りやすい開業前に融資を受けて多額の現金を確保しておく。
現金さえあれば、開業時の売上げが予定を下回ったとしても、資金ショートまでの期間が伸びるため、その間に黒字化へ持ち込むことも可能です。

開業前に借りたがその必要はなかった

開業前に創業融資を受けたが、業績が好調で正直借りる必要がなかった。
というケースもあります。

この場合、淡々と毎月返済していくこともできますし、一括返済もできます。
ここは経営判断になると思いますが、私個人的には安易に一括返済するのは避けた方がよいと思っています。
理由としては一括返済するとその分手持ち資金が減ってしまうからです。
やはりどんなに好調であっても、現金を潤沢に持っておくのは鉄則だと感じます。

事業はいつ何が起こるかわかりません。
たとえば、大口の売掛先が倒産して売掛金回収ができなくなる。社長が事故や病気になってしまう。ということは十分あり得ます。
他にも私たちはコロナウィルスや東日本大震災といった災害も経験しました。
このような時どうすれば生き残れるかというと現金を持っている会社です。

現金がある間はどんなに赤字でも、債務超過に陥っても倒産しないのです。

次の融資が借りやすくなる

また、一括返済せずに少しずつ約定通り返済する効果として、次の融資が借りやすくなることがあります。
返済実績があることで信用ができているので、初取引の時よりも借りやすくなります。
もちろん、そのときの決算状況にもよりますが、初取引の企業では融資しないと思われる状況でも融資してくれることがあります。
これは、コロナ融資の時に顕著でした。
すでに融資を受けている会社や個人事業主の方が、融資取り引きの無い方たちよりも借りやすかったのです。
このように、返済を続けていくことで、少し苦しくなった時に支援してもらえることがあります。

業況が苦しくなった時だけではありません。
業績が安定していれば、銀行から「借りてくれませんか?」と提案されることがあります。
これはとても借りやすい状態です。
このタイミングで自社に資金需要があれば、融資を受けて、ずっと温めていた次の手を打つことも考えられます。

以上のように開業前の借りやすい時に借りておくと、その後の事業展開に金融機関の力を使いやすくなります。
5年10年といった長期的視野で創業融資を検討するとよいのではないでしょうか。