柏市 創業融資 友人から贈与されたお金は自己資金になるのか

柏市 創業融資 友人から贈与されたお金は自己資金になるのか

創業融資では自己資金がキーポイントです。
自己資金は金額の他にその蓄積過程も審査の対象となります。

今回は自己資金が友人から贈与されたものだったときについて解説していきます。
少しでもお役に立つ内容であれば幸いです。

実際にあった相談内容

過去にこんなご相談がありました。

株式会社を設立したばかりのAさん。
会社の資本金は全額10年来の友人からもらったお金でした。
その友人のビジネスに協力するためお金を返す必要はありません。
500万円の融資を希望されていました。

詳細は書けないのですが、概略は以上のようなことでした。

自己資金にならない

上記の例の場合お金を返却する必要はないとはいえ、友人からのお金が自己資金として審査上認められるのかどうか、という問題がでてきます。

相談を受けた際に、私からAさんに「自己資金として認められないかもしれません。一応公庫の担当者に確認しますね」と伝えました。

翌日、公庫の担当者に案件の概要を伝えました。当然自己資金が友人からのものであることも。
公庫担当者「それは自己資金ではないですね。申し込むのはいいですけど、非常に厳しいと思います。」との回答でした。

というように友人からのお金は自己資金として評価されません。
なので、たとえば友人から300万円もらっても、審査上は自己資金がゼロ円と評価されるのです。

理想は給料を貯めたお金

上記のように自己資金にはその蓄積過程や出どころによって、評価されるものとされないものがあります。
理想的な自己資金は毎月の給料をコツコツと貯めてきたものです。
このように自己資金を作っていくと評価は高まり、融資の可能性も上がります。

とはいえ、すべての人が何年も前から給料を貯められるかというと、そうではありません。
当然、ご家庭や個人的な事情があります。

そこで次項では、給料以外で自己資金として認められたものを挙げてみたいと思います。

自己資金として認められた事例

ここからは自己資金として認められた事例を3つ挙げます。
すべて給料でコツコツと貯めたものではなく、一気にお金が入ってきたタイプの自己資金です。にもかかわらず、3事例とも満額で融資が実行されました。

株や投資信託の売却によるお金

Bさんは個人事業主として開業しようとしていました。
預金は少なかったのですが、株式や投資信託、ETFといったものを所有していたので、それらを売却して事業資金として使うことに決めていました。

この事例のような有価証券の場合、審査時点の評価額が自己資金として評価されます。
当然、融資審査に通過したら実際に売却して事業資金にあてなければなりません。
ですが、Bさんは融資が否決されても自己資金のみで開業するつもりだったので、審査前に売却し現金化しました。
売却益も出ており、自己資金額も十分になったので無事に融資を受けることができた案件です。

このように自分で購入した有価証券は自己資金として認められます。

会社の制度を使った事例

会社を退職しフランチャイズに加盟して開業したCさん。
ご相談に来られた時点ですでに自己資金からFC加盟金と研修費を支払っていました。融資の使い道は物件取得費や開業後の運転資金です。
Cさんは大手の企業に勤めており、その会社には退職して起業する人にお金を出す制度がありました。
このお金を自己資金として使うことにしました。

会社の制度により得た資金も自己資金として問題なく認められ、無事に融資が実行されました。

親からの支援金を使った事例

株式会社を設立したDさん。
許認可と業種的な特性上、多額の資金を必要としました。
財産面での許可要件が非常に厳しいため、自分のお金以外に事業をしていたお父様から資金の援助を受けていました。

援助してもらったお金は事業の利益がでたら少しずつ返すという約束にしてあります。
このようなお金も自己資金として認められ融資が実行されました。

お金をもらっているため、純然たる自己資金とは言えません。しかし、実務上は家族からの支援金と、友人などの第三者からの支援金は評価が違うと感じます。

自己資金の審査基準

ではさいごに創業融資の審査における重要ポイントを解説します。

自己資金の金額

まずは金額面です。

自己資金は総事業資金の3分の1以上が理想的

総事業資金の3分の1以上の現金が銀行口座にあると理想的です。
総事業資金とは、開業時にかかる設備資金と運転資金を合計した金額です。
例を挙げます。

設備資金 500万円
運転資金 400万円
だとすると、合計900万円が総事業資金となります。

この900万円の3分の1である300万円を自己資金で持っていて、残りの600万円を融資で調達する。

このように3分の1を自己資金で。残りの3分の2を融資でまかなう。
ということができると理想的です。

ただ、必ずしも3分の1の自己資金を持っていなければならないかといえば、そうではありません。
4分の1や5分の1でも融資はされます。
少ない自己資金で融資を申し込む際は、開業業種の経験など他の要素でプラス評価を得る必要があります。

また、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」は自己資金が10分の1あれば申し込めます。
ですが、10分の1はあくまで「申し込める条件」にすぎません。
10分の1の自己資金しか持っていなければハードルは高くなります。
審査の「土俵にあがる」のと「勝負ができるのか」はまったくの別ものということです。

自己資金は多いほど有利になる

自己資金は「総事業資金の3分の1が理想」と書きましたが、それ以上持っていれば、さらに有利になります。

たとえば、総事業資金の2分の1あれば融資の確率はさらに上がります。
前掲の例でいえば、900万円の2分の1の450万ですね。

また、自己資金をたくさん持っていれば借入金額を減らすこともできます。
返済負担が減らせれば、財務状況も良くなるでしょう。

大きい金額の融資も可能

自己資金の金額が大きければ、融資を受けられる金額も大きくなります。

たとえば、自己資金が100万円で1000万円の融資を受けようとすると、ハードルはとても高いです。
ですが、自己資金が500万円あれば1000万円の融資も可能になります。

このように、自己資金があればあるほど、融資の可能性、融資金額ともにプラスの効果があります。
逆にいえば、自己資金が少ないと、確率、融資金額の両方とも厳しくなるということです。

自己資金=資本金ではない

株式会社や合同会社を設立して開業する方もいらっしゃると思います。
この時のよくある勘違いとして、法人設立時の資本金を自己資金と考えてしまう事です。

創業融資の際の自己資金は資本金の金額と必ずしもイコールではありません。
自己資金というのは、あくまでも通帳にある事業用に使用する予定のお金です。

たとえば、資本金100万円(資本金は使っていないものと仮定します)と、資本金の他に事業用に使う予定の手持ち資金が200万円の合計300万円あったとします。
この場合の自己資金は、資本金の100万円+資本金以外の現金200万円の合計300万円になります。

自己資金の蓄積過程

自己資金は金額のみで審査をしていません。
自己資金の蓄積過程も審査の対象となっています。
今回のテーマである友人からのお金はこの部分の問題となります。

給料をコツコツ貯める

たとえば、審査時の通帳残高が毎月の給料を貯めたものであれば理想的です。
なぜかというと、少しづつ貯蓄してきたということは、開業に向けて計画的に準備してきた。と評価できるからです。
とくに、日本政策金融公庫はこの「開業の準備度合い」を評価する傾向があります。
少しづつ貯めてきたことが分かれば、自己資金が多少少なめでも、希望通りの金額を融資することがあります。

見せ金はNG

自己資金を増やそうとして一時的にどこかから借りてくることも考えられます。
ですが、基本的にこのような「見せ金」はバレてしまいます。
当然、自己資金としての評価はゼロです。

支払い状況
毎月の支払いは遅れていないか

お金の蓄積だけでなく、支払い状況も審査基準となっています。
支払い状況とは何かというと、「支払うべきものを期日どおりにしっかり支払っているか」です。
たとえば、毎月の電気代やガス代、携帯代、家賃などがこれにあたります。
期日どおりに支払っていれば、なにも問題ありません。

逆に支払いが滞っていたりすると、評価は下がります。
本当に返済してもらえるのか、怖くてお金を貸すことができないのです。
何回も遅れていると支払い状況が原因で否決されることもあります。

日本政策金融公庫は最低3種類支払いができているか確認しています。
見落としがちな点ですが、重要な点なので注意しましょう。

税金は納める

税金の滞納も要注意です。
納める義務があるのに納めていない場合、基本的に融資はできません。

これも「支払うべきものを支払っているのか」ということです。

また、融資には納税の証明書を提出する必要があります。
この証明ができなければ、そもそも審査に入れません。

納める義務があるのに納めていない場合、基本的に融資はできません。
ただし、合法的に免税になっていて納める必要がない場合はこの限りではありません。

以上が創業融資における自己資金の審査ポイントでした。

さいごに

多くの場合、友人からのお金は自己資金にはなりません。

自己資金は給料を貯めたものがベストです。
ただ場合によっては、給料以外でも自己資金として認められるものもあります。

また、自己資金は金額、蓄積過程、支払い状況が審査されます。
とくに蓄積と支払いの過程は一朝一夕でどうにかできるものではありません。時間がかかります。
そして、蓄積と支払の履歴は通帳を確認することで審査をしています。
そのため、自己資金対策として入出金履歴を通帳で管理して証拠を残しておくとよいでしょう。