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コラム

柏市 サラリーマンで勤務しながら創業融資を受けられるのか

開業する際は融資を受けることができます。
現在の職場で働きながら創業融資を検討している方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、勤務しながらでも創業融資を受けることができるのか解説したいと思います。
少しでもお役に立つ内容であれば幸いです。

    この記事では以下の内容に触れています。

  • 創業融資は勤務しながらでも申し込める
  • 創業融資を受けるまでの流れ
  • 勤務中に創業融資対策を

創業融資は勤務しながらでも申し込める

創業融資は日本政策金融公庫か信用保証協会を使うことになります。
この創業融資を受けるには今勤めている会社を退職しなければいけないのでしょうか。
それとも勤務しながらでも融資を受けられるのでしょうか。
よくある事例をもとに解説していきます。

よくある事例

たとえば、以下のような状況の方がご相談にいらっしゃいます。

これから勤務している会社と同じ事業での起業を考えている。
ただ自己資金だけでは事業を始められないため、創業融資を受けることが開業のための必須条件となる。
融資の審査に通ったら会社を退職し、自分の事業を始めたい。

というような場合です。

上記のようなケースでは、会社でサラリーマンとして働きながら創業融資を申し込むことになります。
このように会社に所属している状況で融資を申し込んでも問題ないのでしょうか?

結論を言うと、前掲のケースで創業融資を受けることはできます。

勤務しながらの申し込みがおすすめ

私個人としては、会社を退職してから創業融資を申し込むより、会社に籍を置きながら申し込む方がおすすめです。
なぜなら、創業融資を申し込んでも必ず審査に通るとは限らないからです。
審査に落ちることも普通にあり得ます。
私が公庫の担当者に聞いた話では、窓口で申し込む人で融資を受けられるのは約5割程度ということでした。
したがって、半数近くの人が審査に落ちてしまっていることになります。

つまり、会社を退職してから創業融資を申し込むのはリスクが高いことになります。
万が一融資が受けられなかった場合、その後の収入を得ることができません。
すぐに転職先が見つかったり、前の職場に戻るなどができれば良いですが、できなかった場合が大変です。
したがって、今の会社に籍を置いた状態で創業融資を申し込むことが得策でしょう。

創業融資を受けるまでの流れ

創業融資が実行されるまでの流れについて記載していきます。
勤務しながら申し込む場合は、以下のことをする必要があるのでかなり忙しくなります。
事前にどのようなことが起こるのか知っておくと良いと思います。

まずは準備段階から。
前提として、必要な金額が決まっていなければ融資を申し込むことができません。
店舗で開業するなら、具体的な物件を決定して金額を確定する必要があります。

店舗の初期投資額を決める
イニシャルコスト

開業する場所を決めて、初期費用がいくら必要なのか把握しなければなりません。
店舗に対する最初の費用は高額になることが多いです。
敷金、礼金、保証金、内外装工事費など、これらの費用を合計すると数百万円を簡単に超えてしまいます。
物件によって金額が異なるため、具体的に決めて必要な金額を確定させる必要があります。

店舗にかかる費用の見積もりをとる

見積書を取る費用の例を挙げてみます。

敷金や礼金、保証金など物件契約時にかかる費用

まず、敷金や礼金など物件を契約する際に支払う金額が物件ごとに違います。
物件によっては家賃の半年分などを支払うところもあります。
これだけで数十万円かかることも普通です。

融資を申し込む際は不動産屋などから交付された見積書を用意しておきましょう。

内外装費

店舗を開く際に内外装の工事も必要になります。
とくに居抜き物件とスケルトンではかかる費用も全然違います。
スケルトン物件の場合、前の店舗からあるものが使えずにゼロから作り上げるため、工事費用がかなり高額になります。

金融機関には工事費の見積書を提出します。
内外装費も設備資金として融資を受けられるので、業者からの見積書がその疎明資料として必要になります。
候補物件が決まったら工事業者から見積書をもらっておきましょう。

賃料

当然ですが、店舗によって賃料が変わります。
多くの場合、駅の近くやメイン通り沿いなど立地が良い場所は家賃も高くなります。
逆に駅から少し離れていたり、メインストリートから奥まった物件などは安くなります。

このような毎月かかるランニングコストも把握しておきましょう。
家賃は運転資金として借りることができます。

以上のように、契約する店舗によって、費用面だけでもさまざまな要素が変わってきます。
そのため、各業者からの見積書で金額を確定しておくと融資の申込みがスムーズに行えます。

事業計画書を作る

わかりやすく記載されていると良いです。
内容が分かりにくい事業計画書を作成しても、審査する側に伝わりません。

また、事業計画というと、数十ページや数百ページの書類というイメージをされる方もいらっしゃると思いますが、多すぎるとすべて読むことができません。
なので、ポイントをしぼって10~20ページ位にまとめて、審査しやすくしていきましょう。
そのために、最低限必要なものについて解説していきます。

たとえば、どのようなことを書いていくかというと、

・創業動機
・経営者の略歴、
・セールスポイント、
・販売ターゲット・販売戦略、
・競合、市場など企業を取り巻く状況、
・取引先、取引関係
・その他

以上をWordなどで詳しく書き提出します。
上記以外にExcelを使い数値面での計画も作ります。
例えば、以下のようなものです。

売上げ計画

開業してからどのくらいの売上げを見込んでいるのかをExcelで作ります。
なるべく根拠のあるものをひと月単位で3年分(36ヶ月)計画を立てるとよいでしょう。
また、売上げの計画を立てるときは控えめに見積ることが大事です。

損益計画書

売上げの計画が完成したら、売上げに対する原価はどのくらいか。
固定費は何が必要でいくらくらいかかるのか。
最終的に利益がいくら残るのか。
これもひと月単位で3年分(36ヶ月)計画を立てます。

可能であれば資金繰り表も作成

資金繰り表も作成できるのであれば、作成したい資料です。
資金繰り表とは簡単に言うと「現金の出入りのみ」を計算する表です。
なので、減価償却など実際に現金が出ていってないものはカウントしません。
「いつ現金が入ってきて、いつ出ていくのか」だけを表します。
これも12ヵ月分の表を作って提出したいところです。

とくにこの資金繰り表があると、会社の資金の流れがわかりやすくなります。
返済ができることを示せる書類となりますのでおすすめです。

見積書も取り寄せておく

事業計画書の作成と同時に、車両や機械、什器などの設備を購入する際の見積書ももらっておくと良いでしょう。
この見積書の金額も事業計画書に反映させます。
特に、損益計画書や資金繰り表といった数字の計画から漏れないようにしましょう。

資料を持って金融機関に相談をする

事業計画書が完成したら日本政策金融公庫や民間の金融機関に行きます。

金融機関に行く際は準備した資料を持って行きましょう。
相談時に最低限必要な資料は以下の通りです。

・事業計画書一式
上記に記載した事業計画書をすべて持って行きます。
事業計画を持って行くことで金融機関の担当者と具体的な話ができます。

事業計画書がないと詳しい話ができないので忘れずに持参しましょう。

・預金通帳
個人の預金通帳をすべて持って行きます。
預金通帳は創業融資のポイントである自己資金の審査に使います。

・見積書
店舗契約や内外装工事、機械、設備の購入が必要であれば、各業者から取り寄せた見積書も持参しましょう。

以上の資料を持って行くことで、具体的な話ができます。

正式に申込み

担当者と事業内容や個人の資産状況を話し、正式に融資を申し込みます。
申込み後、本格的な審査に入っていきます。

金融機関の職員と面談

日本政策金融公庫に申し込んだ場合は担当職員と、民間の金融機関に申し込んだ場合は信用保証協会の職員と面談があります。事業計画書の内容、自己資金、経歴などさまざまなことを質問されます。

また、まれにですが保証協会の場合、保証協会の職員と面談をせずに融資が決まることがあります。

融資の可否が決定する

面談後、公庫なら1週間程度。信用保証協会は数週間で保証の諾否を決定します。
保証協会の方が時間がかかります。

金融機関とと金銭消費貸借契約をする

融資が決定したら金銭消費貸借契約を結びます。

融資金が入金される

民間の金融機関に融資を申し込んだ場合、その金融機関の支店に自分の口座を作ります。その口座に決定した金額から信用保証料を差し引いた額が入金されます。

日本政策金融公庫に申し込んだ場合、自分が指定した金融機関の口座に入金されます。

以上が融資実行までのおおまかな流れです。

勤務中に創業融資対策を

創業融資には審査の基準があります。
現時点で審査基準を満たせていないのであれば、勤務しながらその基準にとどくようにする必要があります。
では、その審査基準とはなんなのでしょうか。
審査基準に満たない場合の対策方法もお伝えしていきます。

創業融資のポイント

創業融資で特に重要視しているポイントは以下の3点です。

1、自己資金
2、開業業種の経験
3、事業計画書の内容

となります。
これは、日本政策金融公庫も信用保証協会の保証付き(制度融資)の場合も同じです。
ここでは勤務中に対策できる自己資金と開業業種の経験について解説します。

自己資金
自己資金の金額

まずは自己資金の金額がポイントです。
一例を挙げると、800万円の融資希望額に対し、自己資金が50万円だと融資は無理です。
しかし、同じ800万円という金額でも、自己資金を300万円位持っていると可能性はあります。

日本政策金融公庫の職員によると、「自己資金を貯めてきた人は、開業にむけてしっかりと準備をしたという評価をしている」とのことでした。
公庫はこの「開業への準備」に重点を置いています。

そのため、「自己資金を貯める」=開業に向けて準備した努力を、通帳の履歴で客観的に証明できる。ということになり、創業融資の審査において強力なプラス材料になります。
ちなみに、創業融資の審査では個人の通帳を必ず確認されます。

自己資金の出どころ

たとえば、審査時の通帳残高は毎月給料を貯めたものであるとベストです。
なので、少しずつ給料を貯めていくことが最善の対策となります。
そうではなく、「通帳にある現金は全額親族からの支援金です」という場合、自分で貯めた自己資金よりも評価は低くなります。
なぜなら、前掲した自己資金の重要な意味である「開業に向けた準備」として評価できないからです。
通帳のお金の蓄積過程も大切なのです。

自己資金が足りなければ貯める

上記のように融資希望額に対して自己資金が少ないのであれば、自己資金を貯める必要があります。
したがって、現在の職場での給料の一部を少しずつでも蓄積していくことが対策となります。
そうすれば、給料から貯めたものなので金額の他に資金の出どころという意味でも評価が高くなります。

支払うべきものを支払っているか

毎月の光熱費や携帯代、家賃など決まった時期に支払うものを支払っているのか。これも重要なポイントです。
支払いが滞っていたりすると、金融機関としては本当に返済してもらえるのか心配になってしまいます。
引き落としにするなど支払い漏れが無いようにするとよいでしょう。

また、税金の滞納も要注意です。
納める義務があるのに納めていない場合、基本的に融資はできません。
ただし、合法的に免税になっていて納める必要がない場合はこの限りではありません。

証拠を残す

自己資金は証拠があるものしか認められません。
審査では過去半年から1年間の通帳の履歴を見て判断をしています。
通帳に記載のないお金、たとえばタンス預金などは自己資金として認められません。
そのため、給料などの入金履歴と定期的な支払いの出金履歴が確認できるように通帳で管理するのがおすすめの対策です。

その他の金融資産

自己資金以外の金融資産があればそれも伝えるとよいです。
株や債権、投資信託などさまざまあると思いますが審査担当者に言いましょう。
事業用に使うものではないですが、プラスαになります。

個人的な借入れに注意

住宅ローンや車のローンはさほど問題になりませんが、カードローンなど金利の高い借入れは要注意です。
日本政策金融公庫はこのような性質の借金をとても嫌います。
残高によっては融資を受けられませんので気をつけましょう。

勤めながら返済を

もし、カードローンや消費者金融で借入れをしているなら審査でのマイナス評価は避けられません。
残債があるなら毎月の給料から返済して、完済してしまうとよいでしょう。

CICの異動情報

前項の借入れと関連しますが、公庫はCICという機関で個人の信用情報を見ています。
そこに「異動」という情報があると融資は受けられません。
「異動」とはいわゆるブラックリストと呼ばれるものです。
過去にクレジットカードや分割払いの支払いが遅れてしまった経験がある方は、ネット上でとれるので見てみるとよいと思います。CICと検索するとホームページがでてきます。

異動情報があるなら申し込まない

もしもCICで異動となっていると公庫で融資を受けることができません。
この場合、異動情報が消えるまで待つしかありません。
なぜなら、ほぼ確実に否決されるだけでなく、その履歴と否決理由が残ってしまうため、次に融資を申し込んだ時に不利になるからです。
待っている間は自己資金を貯めるなど、審査で有利になる対策をしておくとよいでしょう。

開業業種の経験

開業業種の経験も重要です。

経験で評価するのは勤続年数だけではない

開業する業種の経験があるかどうかも、創業融資のポイントとなります。
経験がある人の方がない人よりも有利になるのです。

経験の評価は、その職業を経験した年数などの「長さ」よりも「経験した内容」の方をより重視しています。
だからといって半年や1年などの短期間では経験としては弱いです。
経験という面で弱いのであれば、勤務しながら経験を積むことが必要になります。
できれば、管理職としての経歴があると強いでしょう。
経験を積むと同時に給料で自己資金を貯めていけると理想的な対策になります。その蓄積ができれば融資の可能性も向上します。

さいごに

ここまでサラリーマンでも創業融資を受けられるとお伝えしてきました。

個人的には会社を辞めて融資を申し込むよりも、勤務しながら申し込む方をおすすめしています。
そうすることで審査に落ちてしまったときの影響を少なくすることができます。

自分では万全だと思っていても、思いもよらぬことが原因で落ちることがあります。
勤務しながらの融資申込みはかなり忙しくなりますが、万が一のリスクを抑えていけるので良いと思います。

 

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