松戸市 キッチンカーの開業 金融公庫で融資を受けるには

松戸市 キッチンカーの開業 金融公庫で融資を受けるには

キッチンカーの開業では融資を受けることができます。
キッチンカーは1人や2人でも始められ、店舗も必要ないことから開業費を抑えて始めることが可能です。
しかし、車両を購入するとなると、やはり数百万円は必要となります。
そうなると、自己資金だけで開業するのは厳しいため、融資が必要となります。
今回は私が開業時の融資をご支援した経験をもとに、どうすれば融資を受けられるのか、キッチンカーならではの注意点なども書いていきたいと思います。
少しでもお役に立つ内容でしたら幸いです。

日本政策金融公庫での融資実行までの流れ

まずは、融資実行までの流れから解説していきます。

以下がおおまかな流れとなります。

何にいくら必要なのか決める

まずは設備的な金額だけでも決定させます。
車両を購入するなら、車屋さんから見積書をもらいましょう。その他に冷蔵庫など必要な設備があれば、購入予定の物の金額も確定させます。

設備だけではなく毎月の固定費といった運営にかかる費用も把握しておけるとさらに良いです。

保健所に事前に相談する

これは車両の検討と同時に進めておきたい項目です。
キッチンカーの場合、保健所の営業許可は車両が完成してから受けることになります。
事前に相談しておかないと、車両の完成後に保健所に行っても、許可条件を満たしていない可能性があります。こうなるとせっかく完成した車両を、許可条件に合うように改造しなおさなければなりません。
これでは本来は必要なかった費用を払うことになってしまいます。
事前に保健所に相談して車両会社とすり合わせをしておけば、無駄な支出をなくすことができます。

出店場所を決める

開業したらどこに出店するのか、具体的な場所や地名を決めます。
複数の場所に出店する方が多いと思いますので、いくつか場所を示せるようにしておくと良いでしょう。

創業計画書を作成して希望融資額を決定する

たとえば、当事務所では
「売上げ予定表」36ヶ月分
「損益計画書」36ヶ月分
「資金繰り表」12ヶ月分
「事業内容等を文章化したもの」
以上の4点を必ず作成して金融機関に提出しています。

車両などの設備資金と、毎月必要になる固定費といった運転資金も計画書を作成すると具体的にわかります。
運転資金は開業から3か月分の費用が無理なく融資を受けられる範囲です。
設備資金と運転資金を合計すると、開業資金の総額が確定します。
開業資金の総額から自己資金をマイナスしたものが融資額となります。

日本政策金融公庫に融資を申し込む

創業計画書が完成したら日本政策金融公庫に融資を申し込みます。
申し込むのは最寄りの支店になります。
この時に創業計画書や見積書といった書類も提出しましょう。
最近では日本政策金融公庫のホームページでの申し込みも多くなっています。

面談日時の決定

申し込み後、日本政策金融公庫の審査担当者から連絡があります。
その際に面談の日時を決定します。
その後、公庫から書面が郵送されてきます。
書面には当日の持ち物が記載されていますので忘れずに持って行きましょう。

面談

審査担当者と面談があります。
時間的には1時間程度が多いです。
創業計画書に沿って質問をされることが多いですが、担当者によってその内容は様々です。
ですが、個人の資産状況と過去の経歴についてはほぼ確実に質問されます。

結果の通知

通常は面談から1週間程度で審査の結果が知らされます。
私が関わらせて頂いた案件では2週間弱かかりました。長めに時間がかかった理由としては出店予定場所をいくつか見て回るところから審査を開始したからということでした。

契約書が送られてくる

無事に審査に通ると公庫から契約書などが送付されてきます。
記入のうえ、その他の必要書類を返送します。

指定の口座に入金

書類を返送後、不備が無ければ2,3営業日で指定した口座に入金されます。

以上が融資実行までの基本的な流れとなります。

融資の審査基準

ここからは審査の重要ポイントを解説します。
これはキッチンカーに限ったものではなく、全ての業種で共通するものです。
当然、キッチンカーも同じ様に審査されることになります。

開業時の融資で特に重要視しているポイントは以下の3点です。

1、自己資金
2、開業業種の経験
3、事業計画書の内容

では、それぞれどのようなところが審査されるのでしょうか。

自己資金
自己資金と融資希望額のバランス

例えば、500万円の融資希望額に対し、自己資金が80万円だと融資はかなり厳しいです。
融資制度によって自己資金が1/10必要とか、自己資金要件がないものがあります。
500万円の融資で80万円の自己資金を持っていれば、制度上は自己資金条件を満たしています。
しかし、それはあくまでもその制度を申し込める条件であるということに過ぎません。

絶対に無理というわけではないのですが、苦戦は必至です。
土俵に上がるのと、勝負になるのは全く別物ということになります。

逆に、同じ500万円という金額でも、自己資金が200万円位持っていると可能性は十分です。

このように融資額が多くなればなるほど、自己資金も多く持つ必要があります。
反対に、融資額に比べて自己資金が少なければ、減額対応やゼロ回答といったことになります。
自己資金が多ければ多いほど、金額、融資の可能性ともに高くなります。

自己資金の出どころ

たとえば、審査時の通帳残高が毎月給料を貯めたものであれば問題ありません。
そうではなく、「通帳にある現金は全額友人からの支援金です」という場合、自己資金としての評価はゼロです。
通帳のお金がどこから来たものか、というのも重要です。

支払うべきものを支払っているか

毎月の光熱費や携帯代、家賃など決まった時期に支払うものを支払っているのか。
これも重要なポイントです。
支払いが滞っていたりすると、本当に返済してもらえるのか、怖くてお金を貸すことができません。

というように自己資金の金額だけでなく、その蓄積過程も審査の対象となります。

個人的な債務はどうか

住宅ローンや車のローンなどはあまり問題になりません。
しかし、カードローンや消費者金融といった類の借入れはマイナスです。
金額によっては融資を受けることができません。

開業業種の経験

開業する業種の経験がない人よりもある人の方が融資をしやすいです。
開業業種の経験があった方が事業も成功しやすいだろうということです。

実務経験が豊富であれば、多少自己資金が少なくても希望通りの金額で融資をすることがあります。
業種経験には自己資金不足を補う効果もあるのです。

事業計画書の内容

事業計画書もしっかり作っていく必要があります。
前述したように、当事務所では
「売上げ予定表」
「損益計画書」
「資金繰り表」
「事業内容等を文章化したもの」
以上の4点を必ず作成して金融機関に提出しています。
ここまで作りこんでいくと「しっかり作っていただいて」と面談の時に担当者から言われます。

事業計画がわかりやすい=事業の内容や資金計画が把握しやすい=審査しやすい=融資もできる
ということになります。

自己資金や経験の条件を満たしていても、事業計画書の出来が悪くて否決されては非常にもったいないです。

以上「自己資金」「開業業種の経験」「事業計画書」この3点が審査の重要ポイントです。

他にも、個人信用情報や過去の経営経験、人柄、担当職員の融資姿勢など総合的な要素で結果は変わります。

キッチンカーの融資のためのポイント

前項では全業種の審査ポイントについて解説しました。
この項目ではキッチンカーだからこそ押さえておきたいポイントを書いていきます。

出店場所を決める

キッチンカーは移動販売のため、色々な場所やイベント等でお店を出すことが多いでしょう。
そして、その場所の立地条件によっても大きく売上げが違うということもあります。
ということは、事業計画書を作成する段階で売上げの計画も場所の影響を受けます。
開業前から売上げの良い立地を選ぶのは難しいと思いますが、事前に選んでおくことでその後の改善もできそうです。

また、融資の審査上でも必須となります。
審査担当者との面談が終わると、担当者は実際にその場所を見に行きます。そして、周辺の競合や状況を見て審査をします。これはすべての業種で行っていることです。
そのため、具体的な出店場所が決まっていないと審査自体ができないことになります。
また、現地を見に行っても自店のコンセプトとズレていたり、集客が見込めない場所だと判断されてしまうとマイナスです。

出店場所はキッチンカーにおいても重要な要素となるので、十分に検討を重ねると良いでしょう。

キッチンカーの業者選び

キッチンカーの開業では、リースではなく車両を購入することもあります。
購入する際はやはりなるべく安い業者さんを選びたくなるところです。
ですが、この業者選びも要注意です。

あまりにも安い業者に発注すると道路交通法に違反するケースがあるそうです。
これは当事務所を担当している公庫の職員さんに聞いた話ですが、
安い業者に発注すると、車両の重量制限違反に該当して、後々痛い目にあうキッチンカーがよくあるそうです。
つまり、保健所の営業許可は取れても、道路交通法違反で営業できなくなる恐れがあるわけです。

また、これも公庫の職員さんに聞いたのですが、キッチンカーの相場は約300万円だそうです。
どの業者さんにも言えることですが、とくに相場よりもかなり安い業者さんに発注する際は十分に見極めて発注した方が良さそうです。

保健所の営業許可

基本的に許認可業種で創業融資を受ける場合、許可を受けていなければ融資を実行できません。
(キッチンカーの場合も保健所の営業許可が必要)

この原則を適用すると、キッチンカーを購入して許可を取った後でなければ融資できないことになります。
ですが、こちらとしては融資の実行後に融資金でキッチンカーを購入したいわけです。

ではどうするかというと、先に融資を実行して車両を購入します。
購入後に保健所から営業許可を貰います。
営業許可がとれたら、許可証などの書類を日本政策金融公庫に提出します。

というように、従来通り融資前に許可を取るのではなく、融資実行後に許可を取ることが認められているのです。
融資後に許可を取ることが条件となります。

ここで要注意なのですが、融資実行後に許可が取れなかった場合です。
許可が取れなかったら融資額の全額を返金しなければなりません。
そうならないためにも、事前に保健所に相談しておくとよいでしょう。

創業計画書の記載事項

キッチンカーの創業融資では創業計画書を作成します。
記載事項として以下の項目は最低限押さえたいところです。

飲食業の経験

なかなかキッチンカーでの勤務経験がある方は少ないと思います。
そこで、飲食業の勤務経験の有無が融資できるかどうかのキーポイントになってきます。
アルバイトではなく、正社員としての経験が欲しいところです。

例えば、以下のようなことを創業計画書でアピールできるとよいでしょう。
・勤務年数
・受賞歴
・社内で担当していたこと
・役職
・勤務時代に身につけて、開業後に役立ちそうなこと
・数値的に表せる実績
など

以上のようなことを自分自身振り返って書いていきましょう。

出店場所

前述したように出店場所は業績を大きく左右するものです。
具体的な場所をいくつか決めて記載しましょう。

商品

どのようなものを販売するのか説明します。
計画書に商品の画像を貼り付けるだけでとてもわかりやすくなります。
おいしそうな画像にできるとベターです。

以上、キッチンカー特有の要素について解説いたしました。

さいごに

ここまでキッチンカーの開業資金の融資について解説してきました。

キッチンカー特有の事として以下にはご注意ください。

・出店場所の決定
・車両業者選び
・保健所の営業許可の取得
・飲食業経験の有無

お読みいただきありがとうございました。
お役に立つ内容であれば幸いです。

当事務所では創業融資の無料相談を行っております。よろしければご利用ください。