松戸市 創業期の融資にノンバンクという選択肢はどうか?

松戸市 創業期の融資にノンバンクという選択肢はどうか?

融資には様々な調達先があります。
公庫や銀行、信金、ノンバンクなど。
今回は創業間もない時期のノンバンク、特に無担保融資の資金調達について記載しました。
お役に立つ内容であれば幸いです。

ノンバンクとは?

まず、ノンバンクとはどのようなところなのか解説していきます。

ノンバンクとは銀行や信金、信組といった金融機関以外で貸金業務を行う金融会社の総称です。
例えば、消費者金融、事業金融会社、リース会社、信販会社、クレジット会社が挙げられます。

ノンバンクは銀行等と違い預金業務を行わず、貸し出し(融資)のみを行います。そのため、資金調達コストが高く、それに伴い貸出金利も銀行と比べ高くなります。

ノンバンクと闇金

たまにノンバンクと「闇金」を混同してしまう方がいますが、両者はまったく違います。

闇金とは、貸金業を行うために必要な登録を行っていない会社や、利息制限法の上限金利を超える金利で貸し付けを行うなど、違法状態にある貸金業者です。
悪質な貸金業者の情報は財務局のホームページで公表されています。このような所から借りないように注意しましょう。

適法な登録業者であるかは金融庁の「登録貸金業者検索サービス」で調べることができます。ノンバンクを利用する際はこちらを確認するとよいです。

融資の取り組みスタンス

無担保で融資を行うノンバンクは昔に比べ少なくなりました。金額的にも100~300万円程度、多くても500万円といった具合で少額対応しか期待できません。大きな金額で借りたい場合は不動産担保融資や売掛債権担保融資といった、担保を提供する形になります。

担保があるなら銀行で借りれば良いではないかとなりますが、売掛債権担保などは銀行で取り扱うことがほとんどありません。専門特化したノンバンクは銀行で扱えない案件を、高度なノウハウと柔軟な考え方で対応してくれることがあります。

実際、2社間ファクタリングの高額な手数料で悩んでいた事業者が、売掛債権担保融資を活用して再生していく事例もあります。

融資金利

ご存知の通り高金利です。無担保融資であれば、上限となる15~20%というケースが多くなります。
担保有りでも5%~10%と銀行よりも高いです。

創業期の融資には不向き

開業間もない時期にノンバンクから資金調達をすることはどうなのでしょうか。
個人的には、開業1年目や2年目の融資にノンバンクは不向きだと思います。
理由は、金利と返済期間により開業後の資金繰りが厳しくなるからです。
詳しく解説していきます。

融資金利が高い

日本政策金融公庫や信用保証付きの融資よりも金利が高いです。
初回であれば最低でも10%以上の金利での支払いがほとんどでしょう。

返済期間が短い

日本政策金融公庫は運転資金の返済期間が7年取れます。
ですが、ノンバンクはそれに比べて短いです。
つまり、毎月の返済額も多くなってしまいます。

資金繰りが厳しくなる

金利と返済期間の2点を考慮すると、公庫から借りるよりも資金繰りが厳しくなります。

300万円をノンバンクで借りると

では、300万円をノンバンクで借りるとどのような返済状況になるのかシュミレーションしてみましょう。
条件は以下の通りです。
・融資額 300万円
・返済期間 3年(36ヵ月)
・利率 15%

1年目の概算の返済額は以下のようになります。
・ひと月あたりの元金返済 83,000円
・ひと月あたりの利息 37,500円
・合計 120,500円

300万円を日本政策金融公庫で借りると

では、日本政策金融公庫で300万円借りるとどうなるでしょう。
条件は以下の通りです。
・融資額 300万円
・返済期間 7年(84ヵ月)
・利率 2,5%

1年目の概算の返済額は以下のようになります。
・ひと月あたりの元金返済 35,700円
・ひと月あたりの利息 6,250円
・合計 41,950円

というように公庫で借りた方が毎月約8万円支払いが軽くなります。
1年間にすると約100万円負担が少なくなる計算になります。

開業1年目や2年目に100万円を支払ってしまうのか、支払わずに手元に残るのかは大きいです。
やはり、公庫や銀行から金利が低く返済期間も長い融資を受けた方が得策と言えます。

ある相談事例

弊所にこんなご相談事例がたまにあります。
詳細は書けませんが大まかな概要は以下のような内容です。

事業用の資金をノンバンクで借りました。その後、日本政策金融公庫で融資を受けたい、ということで弊所にご相談されるケースがあります。

このように先にノンバンクで資金調達した後に、残債がある状態で公庫の融資を申し込むと難易度が上がります。
ノンバンクが理由で断られてしまう可能性が上がるのです。
公庫の審査担当者に「ノンバンクに行く前に公庫に来て欲しかった」と言われた方もいらっしゃいました。

このような事例からも、ノンバンクの前に日本政策金融公庫に申し込んだ方が良い条件で資金調達できる可能性があります。

ノンバンクの使い方

大きな金額を長期で借りることはおすすめできません。
なるべく少額を短期間で利用することが鉄則です。

例えばこんな使い方です。
来月にまとまった売上入金が確実にあるが、今月末の仕入れ支払いができない。そこで、50万円をノンバンクで借りて月末の支払いに充てる。まとまった入金の後に50万円全額を返す。
というように1ヵ月程度の借入れであれば、金利が20%といえども大きな額にはなりません。

このように単純にはいかないかもしれませんが、例のような短期、少額の使い方ができると、金利の高い無担保融資も強い味方にすることができます。

決算をまたがない

決算月にノンバンクの借入残高がないようにできると良いです。
なぜかというと、決算書にノンバンクの借入れがあると、公庫や銀行の審査にマイナスだからです。決算前に返せるのであれば返してしまうのがベターです。

さいごに

以上、創業期のノンバンク利用、特に無担保融資について解説してきました。
個人的には長期の借入れをノンバンクから行うのはおすすめできません。

長期返済の創業融資はやはり、公庫や保証協会を使うことがおすすめです。

ですが、ノンバンクだからといってすべて否定するのも違います。
正しい使い方をすれば強い味方になります。
少額かつ短期という鉄則を守れば役に立つはずです。

公庫、保証協会付き融資、ノンバンク、資金調達方法をいくつも持っておくことは事業を続けるための重要な要素と言えます。

弊所では創業融資のご相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。