開業融資を受けたい。
どうやら市町村にも融資制度があるらしい。
ということで、今回は市町村の創業融資制度について書いてみました。
市町村にも創業融資制度がある
開業時の融資といえば日本政策金融公庫などがありますが、
お住いの市町村にも融資制度が用意されています。
市町村の制度融資、どのような仕組みになっているかザックリ説明すると、
銀行などの民間金融機関と信用保証協会、それと市町村の3者が協力して融資をするものです。
市町村の創業融資制度はその自治体独自の制度なので、全国的に同じ制度ではありません。
各市町村で融資条件などが全く違ってきます。
例えば、A市では「融資額と同額以上の自己資金を持っていなければいけない」
という条件が設定されているが、B市にはそのような制約がないということもよくあります。
その他に、利率や返済期間も自治体ごとにバラバラです。
そもそも、市町村に融資制度自体がないところも存在します。
市町村の融資制度の特徴として、他の公的融資制度にはないメリットがあります。
よく見かけるのが
・利息の軽減
・利子補給
・信用保証料の補助
この3つはよく見かけるメリットで、この中から何かしら一つは適用されています。
これは市町村の制度独特のものです。
市町村の融資制度の流れ
市町村の創業融資制度をうけるまでにはどのような手続きがあるのでしょう?
一般的な流れを見ていきます。(自治体ごとに違いがあります)
1、市町村の窓口で中小企業診断士と相談
2、中小企業診断士から斡旋書を出してもらえるまで事業計画書を作成(発行まで複数回)
3、診断士のOKがあれば市町村の窓口で斡旋書を発行
4、金融機関に斡旋書をもって融資の申込み
5、金融機関は信用保証協会に保証を依頼
6、信用保証協会と面談、審査
7、審査に通れば融資
8、その後利子補給の申請など
おおまかな流れとしてはこのようになっています。
もちろん市町村ごとに地域差はあります。
たとえば、斡旋書を発行してもらうまで中小企業診断士と複数回面談する必要がありますが
面談の頻度なんかもその一つです。
”A市では毎週木曜日と金曜日に担当の診断士と面談できる”
”しかし、B市では隔週の木曜日と金曜日じゃないと面談できない”
このような場合、A市の方がB市よりも早く斡旋書の発行ができる計算になります。
こんなご相談もあります
利息の軽減や利子補給などメリットがある市町村の創業融資ですが
こんなデメリットがあるようです。
それは「斡旋書の発行に時間がかかる」です。
当事務所にご依頼いただいた方なのですが
当初はご自身で東京のとある区の創業融資を申し込もうとされました。
3月末頃から窓口に通っていましたが、6月末になっても斡旋書の発行を受けられずにいたところ、
知人の紹介で当事務所にご相談に来られました。
このように、日本政策金融公庫や通常の保証協会付きの融資と比べて
市町村の創業融資は入金までの期間が長くなることが多いです。
この期間の間に創業融資の重要ポイントである自己資金が減っていきます。
そうすると、自己資金が減っているので斡旋書が発行されたとしても
信用保証協会の審査に通らない。という可能性も出てきてしまうわけなんです。
ここで注意なんですが
斡旋書が発行された=融資ができる。
ということではありません。
市町村は斡旋書を出すまでが仕事です。
そして、窓口の診断士さんは必ずしも融資に詳しいわけではないですし、
窓口で融資の審査をしているわけでもありません。
実際に融資をするかどうか決定するのは信用保証協会と金融機関です。
なので、「斡旋書をもらっても融資は否決された」
「診断士さんと金融機関の言っていることが違う」
ということも普通にあるわけなんです。
まとめ
市町村の創業融資制度について見てきましたが、良い点と悪い点があります。
利息の軽減や利子補給などはとてもありがたいです。
逆に制度が統一されていなかったり、融資までの時間がかかったりと
デメリットもあります。
メリット、デメリットどちらも存在するので、
市町村の制度を使うべきか、他の公的融資を使うのか、じっくり考えていきたいところです。
創業融資専門行政書士事務所「かきざき行政書士事務所」
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