松戸市 起業支援の融資 利息を軽減する特例制度が使えます

松戸市 起業支援の融資 利息を軽減する特例制度が使えます

令和3年度、創業融資の利率を抑える制度ができました。
日本政策金融公庫の「創業支援貸付利率特例制度」というものです。
この制度が使えれば1%台の利率で融資を受けることも可能となります。

今回は、この「創業支援貸付利率特例制度」についてまとめました。

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    この記事では以下の内容に触れています。

  • 創業支援貸付特例制度の概要
  • 支払額のシュミレーション
  • 申込みから融資が実行されるまでの流れ

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少しでもお役に立つ内容であれば幸いです。

創業支援貸付利率特例制度の概要

利率を軽くする「創業支援貸付利率特例制度」は日本政策金融公庫に申し込むと利用できます。
まずはこの特例制度の概要をお伝えいたします。

創業支援貸付利率特例制度の概要
ご利用いただける方

新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方

融資限度額

各融資制度に定める融資限度額

返済期間

各融資制度に定める返済期間以内

利率(年)

各融資制度に定める利率-0,3%

以上が特例制度の概要となります。

【解説】

創業者は一律で基準金利から0,3%引かれます。
ただし、一部の融資制度では適用されないそうですのでご注意ください。

余談ですが、この特例制度は令和2年度にコロナの影響で創業者が減少したので、創業を後押しするためにできたとのことでした。

支払額のシュミレーション

「創業支援貸付利率特例制度」を使うと利率が0,3%差し引かれます。
それに加えて、日本政策金融公庫の創業融資制度で「特別利率」の条件に当たる方は、さらに利率を抑えることができます。

この項目では日本政策金融公庫の創業融資制度である「女性、若者/シニア起業家支援資金」で特別利率を適用した場合、どのくらいの利率になるのか具体的な数字でシュミレーションしてみたいと思います。
まずは、制度の概要です。

女性、若者/シニア起業家支援資金の制度概要

以下、日本政策金融公庫のホームページの記載を一部編集して概要をお伝えします。

ご利用できる方

女性または
35歳未満か55歳以上の男性で、新たに事業を始める、もしくは事業開始後おおむね7年以内の方が対象。

資金の使い道

新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする資金。

融資限度額

7,200万円(うち運転資金4,800万円)

返済期間

設備資金 20年以内〈うち据置期間2年以内〉
運転資金 7年以内〈うち据置期間2年以内〉

利率(年利)

以下の1〜3の要件に該当しない方 [特別利率A]

※融資後に利益率や雇用に関する一定の目標を達成した場合に利率を0,2%引き下げる「創業後目標達成型金利」があります。こちらは日本政策金融公庫のホームページを参照ください。

1,技術・ノウハウ等に新規性がみられる方 [特別利率A,B,C]

2,地方創生推進交付金を活用した起業支援金の交付決定を受けて事業を始める方 [特別利率B]

3,地方創生推進交付金を活用した起業支援金及び移住支援金の両方の交付決定を受けて新たに事業を始める方[特別利率C]

なお土地取得資金は基準利率となります。

担保・保証人

お客さまのご希望を伺いながらご相談させていただきます。

【解説】
利用できる方について

女性は全ての方、男性は35才未満か、55才以上であれば利用できます。

利率について

特別利率はA,B,Cと3種類ありますが、各利率の詳細は以下になります。

特別利率Aは基準金利から-0,4%
特別利率Bは基準金利から-0,65%
特別利率Cは基準金利から-0,9%

女性と35才未満の男性、55才以上の男性は最低でも特別利率Aの-0,4%が適用されます。
条件を満たすことができれば、特別利率Bの-0,65%や特別利率Cの-0,9%で融資を受けることができます。

担保、保証人について

日本政策金融公庫のホームページには「お客様のご希望を伺いながらご相談させていただきます」と記載されていますが、基本的には担保も保証人も不要です。

以上のように、「女性、若者/シニア起業家支援資金」を利用すると最低でも0,4%、通常よりも利率を抑えることができます。

具体的な利率のシュミレーション

では、公庫の「女性、若者/シニア起業家支援資金」に「創業支援貸付利率特例制度」をつけて融資を受けたときの数字を見ていきたいと思います。

・基準金利 2,41% ※2021年10月時点 基準金利は数ヶ月ごとに見直されますのでご注意ください。
・女性、若者シニア起業家支援資金 特別利率A -0,4%
・創業支援貸付利率特例制度  -0,3%

ということで計算すると
「2,41%-0,4%-0,3%=1,71%」

になります。
女性と35才未満、55才以上の男性は最低でも0,7%軽くなり、1,71%で融資が受けられるようになります。
特別利率BやCが適用されれば、さらに金利は低くなります。

700万円の融資を受けた場合

仮に700万円を特別利率Aで借りたとすると以下のようになります。

700万円×1,71%=119,700円が1年間の利息になります。
これを12ヶ月で割ると、ひと月当たり9975円が利息の支払いになります。

ただし、この金額の計算はあくまでも概算になります。
実際は元金の返済が進むにつれて、少しずつ利息の支払い金額は減っていきます。

ちなみに、700万円を基準金利の2,41%で借りると年間の利息は168,700円となり、
ひと月の利息の支払いは14,058円です。

比較すると、1年間で基準金利より約5万円利息を抑えることが可能になります。

元金の返済も含めると

上記の例で元金返済も含めるとどうなるでしょうか。
返済期間7年、84回払いでの概算は以下のようになります。

・元金の返済
700万円÷84=83,333円

・元金と利息(特別利率A)を合計した毎月の支払い額
83,333+9975=93,308円

・元金と利息(基準金利)を合計した毎月の支払い額
83,333+14,058=97,391円

以上のように試算できます。
※実際は元金の返済が進めば概算よりも利息は減っていきます。

申込みから融資が実行されるまでの流れ

今回ご紹介した融資制度を利用するには日本政策金融公庫に融資を申し込む必要があります。
申し込みから融資実行までのおおまかな流れは以下の通りです。

日本政策金融公庫に融資を申し込む

最寄りの日本政策金融公庫の支店に融資を申し込みます。
最寄りというのは「開業する場所」から最も近いところです。
たとえば、自宅が埼玉県三郷市で開業場所が千葉県松戸市だった場合。この場合は埼玉県内の支店ではなく、松戸支店が申込先になります。
このとき、借入れ申込書とともに事業計画書や見積書なども提出しましょう。

担当者から連絡がある

申込み後1週間ほどすると審査を担当する職員から電話で連絡があります。
その際、面談当日の持ちものなどが伝えられます。同時に面談日時も決めるので希望日を伝えて調整しましょう。
後日、書面でも通知されます。
基本的には電話がありますが、電話なしで書面のみで通知されることも過去にありました。

担当の職員と面談

約束した面談の日になると申し込んだ支店で担当者と面談をおこないます。
面談時間は約1時間ほどです。
ケースによっては長くなることもあります。

面談の内容は事業計画書の内容に基づいて、自己資金、経歴、担当者の気になっていること等さまざまなことを質問されます。
質問されたことに淡々と答えていきましょう。

また、事前に通知された持ち物を忘れずに持って行きましょう。
役所で取得しなければいけない書類もあるので、早めに動いておくのがおすすめです。
必要な書類が集まらないと審査が進みませんのでご注意ください。

融資の諾否が決定する

面談後、約1週間で融資の諾否が決定します。
支店の案件の混み具合や、審査が難航した場合などは1週間以上かかることもあります。
決定すると審査担当者から連絡があり、結果が告げられます。

日本政策金融公庫と金銭消費貸借契約をする

OKがでると金銭消費貸借の契約書が郵送されてきます。
必要事項を記入して指定の送付先に送りましょう。
書類にはどのような返済条件なのかも記載されているので確認しておくとよいでしょう。

融資金が入金される

契約書を送付すると、数日で自分が指定した金融機関の口座に入金されます。
ここまで、申し込みから入金まで約1ヵ月です。
ケースによっては長くなることも短くなることもあります。

最近の傾向

余談になりますが、この記事を書く2週間前に日本政策金融公庫の職員と話す機会がありました。
現在、公庫の融資は通常よりも全体的に厳しめになっているようです。
理由としては、コロナの影響で融資先が約30万件(前年度比)増えてしまったことにあるそうです。
とはいえ、条件が整っている人には積極的に融資したいのが金融機関ですので、十分に準備して申し込むとよいでしょう。

さいごに

今回は令和3年度に新設された「創業支援貸付利率特例制度」についてお伝えしてきました。
「女性、若者/シニア起業家支援資金」を利用すれば、女性や35才未満、55才以上の男性は利息負担を軽減できます。
最低でも0,7%利息を抑えることができるのです。

この特例制度は創業者であれば一律で金利が0,3%低くなります。
また、この記事で例示した「女性、若者/シニア起業家支援資金」以外の創業融資制度にも適用されるものです。
もし、融資が必要な方は今回ご紹介した特例制度があることを頭の片隅においておくとよいでしょう。