創業融資サポートの専門家が融資の可能性を判断するポイントとは?

創業融資のお手伝いを仕事にしている私ですが、何をみて融資が可能なのか難しそうかを判断しているポイントを架空の事例を使ってお伝えしてみようと思います。

クライアントAさんの概要
男性 40歳
状況 起業前
創業する業種:IT関係
自己資金:300万円
開業業種の経験:IT業の経験あり 10年以上
融資希望額:500万円
個人的な借金:住宅ローンの残高2000万円
担保:なし
保証人:なし

以上の条件だとします。
ではこの条件で何をみているのか?
順番や重点の置き方は専門家みんな違うと思いますが、ポイントは同じだと思います。

私の場合はまず
自己資金と融資希望額のバランスです。
大体自己資金額の2倍以内に融資希望額が収まっていればこの点では可能性ありといった感じ。
上の事例の場合、自己資金額300万なので600万以内の500万で収まってるので可能性ありという判断です。
ただ注意すべきは、必ずしも融資希望額が自己資金額の2倍以上だから融資は無理ということではないです。
他の要素でカバーできれば十分に可能性はあります。

次に開業する業種の経験があるのか?です。
開業する業種の経験が無い人よりも、経験がある人の方が事業が成功しやすい。
というのが金融機関の見かたなので、影響が大きいです。

上の事例の場合は開業する業種の経験が10年以上あるということなのでこの点は可能性ありそうという感じです。

そして、個人的な借金の有無です。
住宅ローンや車のローン、教育ローンなどはあってもそんなに気にはなりません。
逆に消費者金融などから多額に借入が残っていたり、ブラックだった場合は非常に厳しくなります。

事例の場合、住宅ローンが2000万円残っていますが、その他に消費者金融などの残債が多額になければ
これも可能性ありそうだ。となるわけです。

事業の融資といえば担保や連帯保証人がないと無理なのではないかと考えてしまいがちですが、
現在の創業融資では無担保、無保証のほうが件数的にとても多くなっています。
担保や保証人をとる方が逆に珍しいというのが現状です。
私がこの仕事を始める前は普通に保証人を要求されていたそうです。

ということでクライアントAさんの上に記載した情報だけで最初の融資判断がどうなるかというと

自己資金は大丈夫そう。
開業する業種の経験もある。
借入は住宅ローンだけ。

ということで融資の可能性はありそうだと最初の判断をするわけなんです。
あとは事業計画書の内容でどれだけ可能性を上げることができるかにかかってきます。
いくら条件的に可能性がありそうでも、事業計画書の書き方や内容で融資が否決されるのは非常に悔しいです。

実際の現場ではその他に個人の通帳をみせてもらい自己資金の出どころや公共料金の支払いその他、
金融機関の担当者がみる場所を事前に把握し、問題があれば対策はとれないかとか、
過去のことで問題がないかなど様々なことをヒアリングして最終的な判断をします。
なので最低でも2時間くらいは平気でお話しすることが多いです。
今までの最長時間は5時間でした。

なので以前お客様に「創業融資の仕事ってしんどくないですか?」とかいわれたりします。
でも私は熱意にあふれた起業する方と一緒に未来の話をするのがとても好きなのでしんどくないんですね。
私が諦めてしまうということはお客様の開業自体がダメになってしまうということを意味しているので、毎回全力です。

創業融資支援に特化した行政書士事務所「かきざき行政書士事務所」
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