柏市 起業前の今だからできる創業融資の準備方法!

柏市 起業前の今だからできる創業融資の準備方法!

資金調達の方法には何がある?

まず、個人事業主や法人ができる資金調達方法には何があるのか、概要を見てみましょう。

融資

資金を他者から借りて返済するもの。

政府系金融機関 ⇒  日本政策金融公庫、商工組合中央金庫(商工中金)など
信用保証付き融資 ⇒ 信用保証協会と民間金融機関と自治体
プロパー融資 ⇒   民間金融機関(銀行・信金等)
商工ローン  ⇒   ノンバンク、その他

補助金、助成金

支出した資金の3分の2や2分の1を補助してもらう返済不要のお金。

厚生労働省系  ⇒    キャリアアップ助成金など
経済産業省や総務省系 ⇒  創業補助金 小規模事業者持続化補助金など

投資

返済不要の資金。

ベンチャーキャピタル
個人投資家   など

その他

クラウドファンディングなど

創業時に使える資金調達方法

以上のように数ある資金調達方法の中で、創業期に使える手法とは何なのでしょうか?

メジャーな方法は以下の2つになります。

・日本政策金融公庫の創業融資制度
・信用保証付きの融資制度

(都内であれば女性・若者・シニアサポート事業という制度も使えます。)

他の資金調達方法が現実的でない理由

助成金、補助金を創業資金で使いたいという方もいますが、後払いのため「さあこれから起業するぞ!」という方向けではありません。補助金などを使う場合は自己資金を潤沢に貯めていたり、融資を併用する必要があります。

また、銀行が融資をするにしても、信用保証が付かない融資である「プロパー融資」はかなりの難易度になります。
なぜなら、創業フェーズの会社に対してのプロパー融資は、金融機関にとって非常にリスクが高いからです。

投資については、昔よりもハードルが下がってきましたが、それでも手の届きにくい状態です。

以上のことから基本的には日本政策金融公庫か信用保証付きの融資を使うということになります。

公的融資を受けるために必要なこと

それでは日本政策金融公庫や信用保証付きの融資を受けるために必要なことは何なのでしょうか?
審査のポイントを押さえておきましょう。

審査のポイント

・自己資金
・開業業種の経験
・事業計画書の内容
創業融資の審査ではこの3つをとても重視します。

自己資金の着眼点

では自己資金のどのようなところを見て審査するのか?
審査では基本的に個人の通帳を面談で見せます。その際、審査する側はおおむね以下のような点を確認しています。

金額

・融資希望額に対して自己資金額は適正か?

自己資金の蓄積過程

・自己資金は毎月の給料から貯めたものか?
・自己資金額と給料の整合性あるか?
・消費者金融などから借入はあるのか?
など

公共料金など毎月の支払

・電気代、家賃、電話代など毎月支払うものを期日どおりに払っているか?
(2,3種類確認)
・延滞や滞納はないか?

しっかり払っている人=貸しても返してくれる
しっかり払っていない人=貸しても返してくれない
というように判断されます。

不審な入金、出金

一度に多額の入金や出金で説明できないもの。つじつまがあわないものはないかどうか?

その他気になる箇所

そのほかに通帳を見て「なんだこれは?」と思う箇所。

自己資金の着眼点は以上のようなものです。

開業業種の経験がある方が良い

前職と同じ業種で開業するなど、開業業種の経験があると審査は有利になります。
開業する業種の経験がある人の方が成功する確率が高いだろうという考え方です。
ただし、経験が無いから絶対無理ということではありません。

経験年数よりも実績が重要

大切なのは経験年数ではなく、職場で何をして何を得たのか?
その経験は開業後に役に立つのか?です。
これについては自分から積極的にアピールをしないとわからないので、事業計画書で担当者に伝えましょう。

年数よりも実績とはいっても、勤務期間が1年などではなかなか厳しいです。

※今お勤めの業界と別の業界から転職してきた場合、なぜ今の業界にしたのか質問されたこともありました。

事業計画書について

必ずしも50ページとか100ページの事業計画書は必要ありません。
そもそも読み切れないそうです。(公庫の担当者の話)
なのでポイントをしぼったものを提出する必要があります。

最低限必要な書類4つ

ではポイントをしぼった事業計画書とは何なのか。
当事務所が金融機関に提出する際に必ず提出しているものを紹介します。

1、 創業計画書(文章)
2、 売り上げ計画書(3年分)
3、 損益計画書(3年分)
4、 資金繰り表

【1の創業計画書】
金融機関指定のものと自分で作成したものの2種類
創業動機、自身の経験、セールスポイント、販促方法などを詳しく記載します。

【2の売り上げ計画書】
販促方法や自身の経験、フランチャイズに加盟するのであれば他店舗のデータなどをもとに計算。
1年ごとにいくらくらいではなくて、一月単位で計算していくと説得力があります。
過大な計画にせず、必ず厳しめに計画をする。
例えば、サービス業などで成約率が8割あった人は、7割~6割で成約するという感じです。

【3の損益計画書】
開業後何にいくらかかるのかを書き出して、一月単位で計算します。
原価など売り上げに応じて変化する変動費は特に注意。
人件費や光熱費、家賃などの固定費は毎月同じでも大丈夫です。

【4の資金繰り表】
実際の現金の出入りのみをあらわすものでこれも一月単位で計算します。
例えば、借入金の返済は費用ではないので損益計画書で計算されませんが、資金繰り表では計算されます。

資金繰り表は非常に重要です。
今までに私がお会いした銀行員はみんな口をそろえて必ず提出して欲しいと言うほど大切なものです。

【その他の添付書類は必要に応じて提出】
例えば、アルバイトを雇う場合は人件費検討表など

開業前にできる融資対策

開業する前の今から融資の対策をしていきましょう。
方法としては以下のとおりです。

自己資金、通帳の管理

公共料金の支払いは引き落としにする
タンス預金は絶対にしない
毎月給料は口座で蓄積していく。手渡しの場合は銀行口座に入金しておく(給与明細の保管は忘れずに)
消費者金融などから借りない(個人信用情報を調べられるので)

お客様になりそうな人の確保

金融機関は商品、サービスの内容よりもどれだけ売れるのかに関心があります。
お客様、お客様候補のリストがあれば事業計画書の添付資料として提出したいです。
お客様の声を書いてもらい提出したこともあります。(開業後の強力な販促ツールにも使えます)

販促方法を考える

起業家さんの融資面談に同席すると「どうやって集客しますか?」と聞かれることがあります。
やっぱり関心があるようですし、当然ですが開業後事業を続けていくためにも重要ですね

ポジティブシンキングを身につける

創業融資は人に貸す融資と言われます。
その人の性格、人柄が融資の結果に影響することがあります。
ベテランの職員になると第6感のようなものが働くそうで「この人は大丈夫だろうか?」と思った人に融資をしたらやっぱりだめだったということが多いと話していました。(公庫の職員さん)
面談の時も自信をもって「自分は絶対にできるんだ!!」と思えるようにしましょう。
「自信はありますか?」と聞かれたときに「いや…ちょっと…」なんて言わないようにしましょう。

融資の難易度が上がるケース

融資の難易度が上がるケースを挙げてみます。
逆を返せばこのケースに当てはまらなければ良いということですね。

・個人信用情報がブラック
株主、役員、親も注意

・副業
基本的に副業に融資はしません。

・自己資金が極端に少ない

・通帳の記載が極端に少ない
タンス預金など
自己資金の証明ができないので

・開業業種の経験が無い
大きな金額の融資はむずかしい

・実績が大赤字
開業後の申込で実績が大赤字などの極めて悪い状況の中、資金繰りに困って創業融資申し込むなどのケース

融資の面談が不安な方へ

融資の面談は誰でも不安です。「あれ聞かれるかも、これも聞かれるかも、ダメだったらどうしよう」
審査する人は敵みたいな感じに見えてしまいます。

実は審査する人が質問する理由は融資をしたいから質問しています。
一見難しそうな人でもなんとか貸せる理由を見つけ出そうと質問する人もいるそうです。

金融機関は融資をして利息を得ることで生きています。
利息が私たちでいう売上に当たるわけなので、そもそも貸し出しをしなければ金融機関は生きていけません。
だからといって悪いところに融資をすると利息どころか返済がされません。
それではいけないのでしっかりと返済してくれるところを見極めるための審査というとらえ方もできます。
事業も好調で、しっかり返済し利息も払ってくれる会社は金融機関からすると超優良顧客となるわけです。
そういう会社にはこちらが何もしなくても、金融機関から「借りませんか?」と言ってきます。

「目の前にいる担当者は私の事業に融資をするために質問してるんだ。」と考えてみるといいかもしれません。
担当者は友達、事業のパートナーであると。