これから創業を考えている方にとって、最も大きな課題の一つが「資金の確保」です。
事業を立ち上げるには、店舗の賃貸費用、設備投資、仕入れ資金、人件費など、さまざまな初期費用がかかります。自己資金だけでは賄えない場合、多くの方が公的な融資制度を検討します。
コロナ禍を経て独立開業を目指す方が増加しており、行政書士としてご相談を受ける機会が増えています。中には、「マル経融資を使いたいのですが、創業前でも申請できますか？」といったご質問も寄せられます。
しかし、結論から言うと、マル経融資（小規模事業者経営改善資金）は創業時には利用できません。
これは「商工会議所の経営指導を6ヵ月以上受けていること」という条件があるためです。つまり、事業を始めたばかりの段階では対象外となるのです。
では、創業前後に利用できる融資制度にはどのようなものがあるのでしょうか？
この記事では、流山市で創業を目指す方に向けて、利用可能な融資制度とその特徴、注意点などを行政書士の視点から詳しく解説します。
流山市で創業する際にマル経融資が使えない理由
マル経融資の基本的な仕組みと要件
マル経融資（正式名称：小規模事業者経営改善資金）は、商工会議所や商工会の経営指導を受けている小規模事業者を対象とした、日本政策金融公庫の融資制度です。
無担保・無保証人で利用できる点が特徴で、運転資金や設備資金として利用することが可能です。
主な利用条件は以下の通りです。
- 常時使用する従業員数が商業・サービス業で5人以下、製造業・その他で20人以下の小規模事業者であること
- 最近1年以上にわたり、同一会議所の管内で事業を営んでいること
- 商工会または商工会議所の経営指導を原則として6ヵ月以上受けていること
このように、マル経融資は既に事業を営んでおり、一定期間以上の経営実績と指導実績がある事業者を対象としています。
なぜ創業時は対象外なのか？～6ヶ月の経営指導条件～
創業前や創業と同時のタイミングでは、マル経融資の「経営指導を6ヵ月以上受けていること」という条件を満たすことができません。
また、事業開始から1年以上の実績も必要となるため、創業直後はそもそも対象外となります。
たとえば、流山市で飲食店を始めたい方が「オープンと同時にマル経融資を利用したい」と考えても、実際には利用できません。
まずは創業後に商工会議所で継続的な経営指導を受け、6ヵ月以上の実績を積む必要があります。
このような理由から、創業前後の資金調達には他の制度を活用する必要があります。次の章では、創業段階で利用可能な融資制度について解説します。
行政書士が教える！流山市で創業時に利用できる主な融資制度
創業時にはマル経融資が利用できないため、別の公的融資制度を活用する必要があります。
流山市で創業を考えている方にとって有力な選択肢となるのが、「日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金」と「千葉県信用保証協会の創業支援制度」です。
以下、それぞれの制度について解説します。
日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」
新規開業・スタートアップ支援資金は、日本政策金融公庫の創業者向けに設計された代表的な融資制度で、長期返済、低金利、無担保・無保証人で借りられる点が魅力です。
主な特徴は以下の通りです。
- 対象：これから創業する方、または創業して間もない方
- 融資限度額：最大7,200万円（うち運転資金は4,800万円まで）
- 保証人・担保：原則不要
この制度は事業計画書や面談による審査が行われるため、準備段階でのサポートが非常に重要です。行政書士としても、事業計画書の作成支援や面談への同席といったお手伝いをしています。
千葉県信用保証協会の創業支援制度
千葉県信用保証協会も、流山市を含む千葉県内で創業を目指す方を対象とした保証付き融資を行っています。
保証協会が連帯保証人のような役割を果たすことで、民間金融機関からの融資を受けやすくする仕組みです。金融機関との取引実績がない創業者にとっても安心です。
主なポイントは以下の通りです。
- 対象：千葉県内で創業する予定、または創業後間もない事業者
- 保証限度額：3,500万円以内
- 保証料：0,80% 一部助成制度あり（自治体によって異なる）
信用保証協会付き融資は、地域金融機関との連携が鍵となるため、事前の準備と調整が成功のポイントです。行政書士としては、適切な制度選定から書類作成、面談対応のアドバイスまで幅広くサポートいたします。
実際に活用した創業融資事例
創業融資制度は書類や面談の準備が重要であり、「どの制度を選び、どう進めるか」が結果を大きく左右します。ここでは、実際に創業された方の中から、行政書士として支援した成功事例をご紹介します。
行政書士として支援した成功事例の紹介
【事例：柏市で写真スタジオを開業した30代男性】
この方は長年の夢だった写真スタジオの開業を決意され、柏市内でテナントの場所も決定。創業時に必要な資金として約6～700万円の調達を希望されていました。
相談時には自己資金300万円をお持ちでしたが、残りを融資で調達することをご検討でした。
そこで、私は「日本政策金融公庫の新創業融資制度（当時）」を利用すること、ヒアリング内容から融資申込額の増額をご提案しました。
支援内容は以下の通りです。
- 事業計画書の作成支援（売上見込み・開業後の資金繰り計画）
- 必要書類の確認と整備（過去の写真の作品集、自己資金の証明書など）
- 公庫との面談に向けたアドバイスと同席
- 公庫との審査前の事前協議
結果として、申請から約3週間で満額の800万円の融資を受けることができ、無事に開業を迎えることができました。現在も予約でいっぱいになるなど、順調に営業を続けています。
このように、制度選びと準備をしっかり行えば、創業融資は十分に活用可能です。特に行政書士のような専門家の支援を受けることで、スムーズな申請と高い承認率を実現できます。
流山市で創業融資を成功させるためのポイント
創業融資の審査では、単に希望を伝えるだけでは通りません。
審査担当者が納得できる事業計画や書類の整備、申請者自身の姿勢が問われます。ここでは、流山市で創業融資を成功させるために押さえておくべき重要なポイントをご紹介します。
融資申請書類の整備と事業計画の重要性
融資の審査で最も重視されるのが「事業計画書」です。
これは、創業後の収益性や返済可能性を審査するための重要な資料であり、曖昧な見積もりや根拠のない売上予測ではマイナス評価につながります。
具体的には以下の点を丁寧に作成する必要があります。
- 開業の動機とこれまでの経歴
- 詳細な事業内容
- 市場分析と競合調査
- 売上・利益予測と根拠
- 開業後の損益と資金繰り計画
- 自己資金の内訳と使途
これらを数字やデータを交えて具体的に示すことで、審査担当者に「この事業は成功する見込みがある」と納得してもらうことが可能になります。
流山市は人口増加傾向にある地域であり、地域特性を踏まえた事業戦略の明示も大きな要素です。
行政書士のサポートを受けるメリット
創業融資に関する知識やノウハウが不足している場合、自力で書類を整えようとしても不備や説得力不足に陥ることが少なくありません。そうしたとき、行政書士のサポートが大きな力になります。
行政書士に依頼するメリットは以下の通りです。
- 融資制度の選定アドバイス
- 事業計画書や必要書類の作成支援
- 書類提出前のチェックと改善提案
- 面談に向けた事前準備・想定問答の練習
実際、これまでの支援事例でも、行政書士のサポートにより書類の完成度が高まり、審査通過率が上がっています。
融資成功のカギは「準備の質」にあります。
専門家の力を借りて、万全の体制で申請に臨むことをおすすめします。
まとめと結論（流山市で創業を目指す方へ）
流山市で創業を目指す方にとって、資金調達は最初に直面する大きな課題の一つです。
多くの方が「マル経融資」を検討されますが、創業前および創業と同時の段階では対象外となるため、利用することはできません。
しかし、それに代わる制度として「日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金」や「千葉県信用保証協会の創業支援制度」など、創業段階から活用できる公的融資制度が用意されています。
これらの制度をうまく活用すれば、無担保・無保証人でも必要な資金を調達することが可能です。
その一方で、融資審査においては、提出書類の正確さや事業計画の実現可能性が厳しく見られます。
そこで重要なのが、行政書士などの専門家によるサポートです。制度選びから申請書類の整備、事業計画の作成、面談対策まで、総合的に支援を受けることで、融資の成功率は大きく高まります。
流山市は創業に適した環境が整っており、だからこそ、制度を正しく理解し、確実な準備を進めることが成功への第一歩となります。夢の実現に向けて、しっかりと準備を整えていきましょう。
行政書士に相談する理由とお問い合わせ情報（流山市エリア対応）
創業融資の獲得には、数多くの書類の準備と制度ごとの理解が求められます。
特に初めて起業する方にとっては、情報の取捨選択や書類の記載内容に不安を感じることも少なくありません。
そんな時こそ、行政書士のサポートが心強い味方になります。融資に強い行政書士であれば、創業支援や融資申請の実務に精通しており、次のようなメリットがあります。
- 目的や状況に応じた最適な融資制度の選定
- 融資申請に必要な書類のチェック・作成支援
- 事業計画書のブラッシュアップによる審査通過率の向上
- 面談前のアドバイスや面談への同席サポート
柏や松戸地域を中心に活動している行政書士として、地域事情に即した的確なアドバイスを行い、創業融資を成功に導くお手伝いをしています。
【お問い合わせ先】
かきざき行政書士事務所
所在地：千葉県松戸市西馬橋4丁目430番地
電話番号：047-343-9519
メール：下部のお問い合わせフォームより
対応時間：平日10:00〜19:00
創業という大きな一歩を、確かな準備と安心のサポートで後押しします。
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