創業を考える多くの方にとって、「創業融資を受けられるかどうか」は最初に直面する大きな壁です。
特に株式会社を設立して事業を始めようとする場合、初期費用が大きくなることが多く、十分な自己資金を用意できるかが重要なポイントとなります。
当事務所でも、新たにビジネスを立ち上げようとする方々から「自己資金が少ないが、融資を受けられるのか?」「贈与されたお金でも問題ないか?」といったご相談を多く受けます。
特に近年では、家族や親族からの支援を受けて創業を目指すケースも増えており、その資金が「自己資金」として認められるのか不安に感じる方も少なくありません。
本記事では、実際に株式会社を設立し、親族からの支援をもとに創業融資を満額で受けることに成功した事例をご紹介します。
この事例を通じて、自己資金に不安がある方でも、適切な準備と戦略により創業融資を受けられる可能性があることをお伝えしたいと思います。
行政書士として、創業支援に携わった経験から、具体的な流れや注意点についてもわかりやすく解説してまいります。
流山市での創業融資成功の重要ポイント
創業融資を受ける際には、業種や事業計画の内容、そして自己資金の状況など、さまざまな要素が審査の対象となります。
今回の事例においても、いくつかの重要なポイントを押さえることで、満額の融資を獲得することができました。
自己資金が少ない株式会社でも可能な融資とは?
今回のケースでは、株式会社の設立にあたり、自己資金の多くが親族からの支援によるものでした。
一般的には「自己資金が少ないと融資は難しい」と言われますが、日本政策金融公庫では、贈与であっても資金の出所が親族等であれば、自己資金として認められる場合があります。
このお客様も親族から1,000万円以上の支援を受けており、これを「自己資金」として扱えるかが大きなポイントでした。
事前に公庫の担当者と丁寧に確認し、贈与税の発生が融資に影響する可能性があることも考慮した上で、「親からの支援」として扱う形に変更するなど、柔軟な対応を取りました。
こうした調整により、自己資金の不安があっても融資を受けられる可能性を確保できたのです。
運送業での創業、許可取得前でも融資が通る仕組み
もう一つの大きな課題は、「運送業の許可が下りていない段階での融資申請」でした。
運送業を開業するには、陸運局の許可が必要ですが、その取得には通常数ヶ月かかります。しかし、事業開始にあたっては車両のリースや人件費など、許可取得前から資金が必要になるのが現実です。
このような場合、日本政策金融公庫では「許可申請中であっても、許可取得を必須条件とすること」が示されていれば、融資を受けられるケースがあります。
本件でも、運送業での豊富な経験や、引き継ぐ予定の顧客が既に存在していたことから、事業の実現性を高く評価されました。
結果として、許可取得前のタイミングでも審査に通過しました。
このように、自己資金の内容や許可の状況に不安がある場合でも、適切な準備と専門家のサポートがあれば、創業融資を成功に導くことが可能です。
流山市での創業融資の注意点と対応策
創業融資の審査においては、単に資金があるかどうかだけでなく、その資金の出所や性質も重要な審査ポイントとなります。
特に親族からの支援を受けた場合、その資金が「贈与」と見なされるか、「借入れ」として扱うべきかは、融資審査にも税務面にも影響を与えるため注意が必要です。
親族からの贈与は自己資金として認められるのか?
今回の事例では、お客様の自己資金のほとんどが親族からの贈与によるものでした。
一般的に、日本政策金融公庫では「自己資金」は原則として本人が蓄えた資金とされていますが、親族からの金銭支援についても、一定の条件を満たせば自己資金として認められることがあります。
具体的には、贈与が返済不要であり、資金の流れが明確である場合には、贈与された資金も自己資金とみなされる可能性があります。
実際にこのケースでも、公庫の担当者に事前確認を行ったところ、贈与としての資金に問題はないとの見解を得ることができました。
ただし、金融機関や担当者によって判断が異なる場合もあるため、事前の確認と、書類での証明が重要です。
贈与税の懸念と「借入れ」への切り替えの工夫
一方で、贈与という形で多額の資金を受け取る場合には、「贈与税」の問題が発生する可能性もあります。特に110万円以上の金銭支援を受けた場合、税務署から課税対象として指摘を受けるリスクがあるため、融資の審査においてもネガティブな印象を持たれることがあります。
今回の事例でも、公庫の面談担当者から「贈与税の額が大きくなり、資金ショートにつながるのではないか」との懸念が示されました。これに対して、お客様自身に「親からの贈与ではなく、事業が軌道に乗ったら少しずつで返済していく意向である」と明確に伝えていただきました。
こうした柔軟な対応が、今回の創業融資成功の一因となりました。専門家のアドバイスを受けながら、資金の扱いについて事前に対策を講じることが、スムーズな融資獲得につながります。
行政書士が支援した株式会社の成功要因とは
創業融資を成功させるためには、資金や書類の準備だけでなく、事業の信頼性や実現可能性をどれだけ明確に示せるかがカギとなります。
今回の事例では、株式会社を設立する40代の男性が運送業で創業を目指しました。
資金面では不安がある中で、満額の創業融資を獲得できた背景には、いくつかの成功要因がありました。それを支えたのが、行政書士による専門的な支援でした。
経験・顧客引継ぎ・計画書の完成度がカギ
まず大きな強みとなったのが、開業する本人の「業種経験」と「既存顧客の引継ぎ」でした。
今回の依頼者は、運送業界で14年間の勤務経験があり、その中で担当していた法人クライアントの一部を、開業後も継続的に受注できる体制を整えていました。
これは創業直後からの売上確保に直結する強力な材料であり、日本政策金融公庫からも高く評価されるポイントとなりました。
また、行政書士として私が特に重視したのは「事業計画書の完成度」です。
日本政策金融公庫に提出する創業計画書に加え、以下のような補足資料も準備しました。
- 創業計画書の補足説明(事業内容の詳細な文章)
- 売上計画書(36ヵ月分)
- 損益計画書(36ヵ月分)
- 資金繰り表(12ヵ月分)
これらを用いることで、単なる理想や予測ではなく、「実現可能な計画」としての説得力を高めることができました。
特に顧客の社名リストを明記したことは、公庫側にも事業の信頼性を強く印象づけた要素のひとつです。
さらに、依頼者本人がこれらの資料内容をしっかり理解し、面談でもスムーズに回答できたことも評価の対象となりました。資料の精度に加え、それを正確に伝えられる準備が、面談成功の要因となったのです。
公庫との連携と交渉の具体的な流れ
もう一つの成功要因は、「日本政策金融公庫との連携の取り方」です。
今回のケースでは、最初に当事務所が付き合いのある公庫の担当職員Aに事前相談を行い、親族からの贈与が自己資金として問題ないかを確認しました。
その結果、「純粋な自己資金も少し加えてほしいが、基本的に問題なし」との回答を得られました。
この時点で、融資申請に向けた準備を進め、書類を整えた上で正式に申込みを行いました。
しかし、審査を行う支店の担当者Bから「贈与税が多額になるのでは?」という新たな懸念が提示されました。
ここでの迅速な対応が功を奏しました。再度、当事務所の担当職員Aに状況を報告し、「親からの借入れとして扱うことで問題がないか」を再確認。
問題ないという回答を受けた上で、依頼者本人が面談担当者Bに直接電話をし、贈与ではなく借入れである旨を説明していただきました。
この一連の対応が公庫内での懸念を払拭し、結果的に満額の融資決定へとつながりました。
また、今回は「運送業の許可がまだ下りていない段階」での申請でしたが、公庫との事前相談で、許可が下りる見込みが高いことを示せば問題ないという指示を得ていました。
許可申請と融資申込みを並行して進めるスケジュールを提案し、実際に許可が下りると同時に融資も実行されるというスムーズな流れが実現しました。
このように、創業融資の成功には、事前準備の徹底と、金融機関との連携・交渉力が非常に重要です。行政書士として、単に書類作成を代行するだけでなく、こうした調整役としての支援ができることが、依頼者の成功に大きく寄与したと感じています。
流山市周辺でも活かせる創業融資のポイント
創業融資の成功事例は、その地域に限らず周辺エリアでも大いに参考になります。
この事例は、近隣の松戸市、柏市、野田市といったエリアでも活かせる要素が多く、今後創業を考えている方にとっても有益です。
ここでは、地域を問わず創業融資の成功率を高めるために押さえておくべきポイントを解説します。
創業前の準備と資金繰り表の重要性
創業融資の審査においては、事業計画書の内容はもちろんのこと、資金繰りの見通しがどれほど現実的で信頼性があるかが重視されます。
特に開業直後は売上が安定せず、出費ばかりが先行しがちです。
そのため、資金繰り表の作成は単なる「書類のひとつ」ではなく、「事業の見通しを数値で示す説得力のある武器」となります。
今回の事例では、36か月の売上・損益計画に加えて、12か月の資金繰り表を用意しました。
これは開業初期に想定される支出や入金のタイミングを具体的に記載し、「売上が立つまでの資金をどう維持するか」「運転資金がショートしない根拠は何か」を明確に示す役割を果たしました。
資金繰り表の中で、入金サイト(請求から入金までの期間)が2か月ある点にも言及し、それをカバーするために融資額を多めに設定した理由を数値で示しました。
これにより、「なぜこの金額が必要なのか」という公庫側の疑問にも的確に答えることができました。
このような綿密な準備は、流山市以外の地域でも非常に有効です。
創業前に専門家のアドバイスを受けながら資金繰り表を整備することで、融資成功の可能性を大きく高めることができます。
許認可が必要な業種への融資申請タイミング
運送業や飲食業、建設業など、許認可が必要な業種においては、「許可を得るまで融資が受けられないのでは?」と不安に思う方も多いでしょう。
実際、行政手続きには数週間から数ヶ月かかるケースが一般的で、その間の資金調達が困難になるケースもあります。
しかし、今回のケースのように、「許可申請中でも融資の申し込みが可能」である場合もあります。ポイントは、以下です。
- 許可取得後に許可証を提出すること
今回の事例では、運送業の許可申請中に創業融資の申込みを行いました。
許可の申請期間に融資の審査には通過し、許可が下りた後、許可証を提出し融資が実行されました。
また、飲食店のような場合、融資実行後に店舗で許可を取り、その後許可証を提出することも可能です。
この考え方は、流山市周辺の他地域でも有効です。特に、許認可がビジネス開始の必須条件となる業種を開業する方は、申請から許可取得までのスケジュールと融資のタイミングを事前に整理しておくことで、無駄なタイムロスや資金不足を防ぐことができます。
創業の準備段階でこそ、こうした実務的な計画性が審査の信頼度を左右します。行政書士など専門家と連携して、スムーズに許認可と融資の手続きを進めることが、事業成功への第一歩となるのです。
まとめと結論(流山市の方向け)
創業融資成功事例から見えてきたことは、「自己資金が少ない」「許認可が未取得」といった一見マイナスに思える条件でも、適切な準備と戦略によって、創業融資は十分に成功し得るという点です。
実際に今回紹介した株式会社のケースでは、親族からの贈与を工夫して自己資金とみなす方法を取り、公庫と綿密な連携を図ることで、満額の融資を実現することができました。
創業融資を成功させるためのカギは、次の3つに集約されます。
- 自己資金を持っていること
- 事業計画や資金繰り表などを具体的かつ現実的に作成すること
- 金融機関との交渉をスムーズに行う体制を整えること
これらを一人で行うのは簡単ではありません。
だからこそ、行政書士などの専門家のサポートが大きな力を発揮します。書類の作成だけでなく、事前相談や融資戦略の立案、許認可のスケジューリング支援、さらには金融機関とのやりとりのフォローアップまで、幅広く支援することが可能です。
流山市は今後も創業希望者が増える地域として注目されており、その中で「どうやって資金調達を成功させるか」は非常に重要なテーマです。
これから創業を目指す方は、早い段階から専門家と相談し、戦略的に融資申請の準備を進めていくことを強くおすすめします。
行政書士に相談する理由とお問い合わせ情報(流山市エリアに対応)
創業融資を成功させるには、単なる書類提出だけでなく、融資の目的や背景、事業の実現性を的確に伝える「戦略」が求められます。その過程で頼りになるのが、創業支援の経験豊富な行政書士です。
行政書士は、事業計画書の作成支援はもちろん、融資申請のタイミングや許認可手続きとの調整、金融機関への説明方法のアドバイスまで、総合的にサポートを行うことができます。
特に、今回のように「親族からの資金支援」や「許可取得前の融資申請」といった複雑な事情が絡むケースでは、個人だけで対応するのは困難です。
融資に強い行政書士であれば、日本政策金融公庫との連携もしており、より的確なアドバイスが可能です。実際に、地域での成功事例をもとに、創業融資の戦略を立てられるのは大きな強みとなります。
当事務所では、流山市およびその周辺エリアの創業支援に力を入れており、初回のご相談は無料で承っております。創業に関するお悩みや、融資についての不安がある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
【ご相談・お問い合わせ先】
かきざき行政書士事務所
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