創業時の資金調達として「日本政策金融公庫」や「制度融資」を利用する起業家は多くいます。
しかし、初回の申請で融資が否決されることも少なくありません。「もう一度申請できるのか?」「一度落ちたら記録が残るのでは?」といった不安を抱く方も多いでしょう。
この記事では、創業融資に落ちた後の再チャレンジが可能か、否決履歴の影響、再申請を成功させるための実務的ポイントを詳しく解説します。
結論:再チャレンジは可能だが、難易度は上がる
結論から言えば、創業融資に落ちた場合でも再チャレンジは可能です。
しかし「否決された履歴」は金融機関や日本政策金融公庫の内部に記録として残ります。そのため、単純に再申請しても、前回の否決理由を解消していなければ同じ結果になる可能性が高いのが実情です。
さらに再チャレンジの難易度は確実に上がります。
つまり、「再申請できる=再度通る」とは限りません。再チャレンジする際は、前回の否決理由を具体的に把握し、改善策を明確に示すことが不可欠です。
否決される主な理由と再申請時の改善策
創業融資の審査で否決される主な理由は以下の通りです。
- 事業計画書の内容が不十分(市場調査・収益根拠があいまい)
- 自己資金が少なく、資金繰りに不安がある
- 経営者の経験や実績が不足している
- 収支計画が非現実的
- 信用情報に問題がある(過去の延滞など)
再申請を目指す場合は、これらの要素を一つずつ解消していく必要があります。
たとえば、事業計画書に「売上予測の根拠となるデータ」や「見込み客との契約書・見積書」を追加するだけでも、審査担当者に与える印象は大きく変わります。
自己資金を増やす、共同経営者を加える、経験を積むといった改善も効果的です。
よくある誤解:「時間を空ければ履歴が消える」は誤り
「半年〜1年待てば、前回の否決履歴がリセットされる」という誤解がありますが、実際には履歴は消えません。日本政策金融公庫では、過去の申請内容と結果を内部で一定期間保持しており、再申請の際にも照会されます。
したがって、単に時間を置くだけでは意味がなく、前回の問題点をどれだけ改善したかが審査の焦点になります。
また、担当者が前回と同じ人物であることもあるため、「どこを改善したのか」を具体的に説明できる準備が求められます。
実務での注意点:再チャレンジ時の戦略と姿勢
再チャレンジを成功させるためには、次の3つのポイントを意識することが大切です。
- 否決理由を明確に把握する
公庫や金融機関に問い合わせれば、否決理由をある程度教えてもらえる場合があります。内容を正確に理解し、改善計画を立てましょう。 - 改善内容を具体的にアピールする
前回から「何が変わったのか」を数字と資料で示します。たとえば、「自己資金を50万円増やした」「仕入先と正式契約を締結した」など、変化を見せることが重要です。 - 同じ金融機関でなく、別ルートを検討する
同じ日本政策金融公庫で支店を変えることは難しいため、制度融資など別の融資ルートを活用する方法もあります。場合によっては、信用保証協会付き融資を検討するのも一つの選択肢です。
専門家のサポートで再申請の成功率を上げる
創業融資に落ちた後の再チャレンジでは、行政書士などの専門家に相談することを強くおすすめします。専門家は融資審査のポイントを熟知しており、前回の否決理由を踏まえた改善策を一緒に練り直すことができます。
特に、事業計画書の数字の整合性や資金計画の根拠付けなど、専門的なサポートを受けることで審査通過の可能性が上がります。
まとめ:再チャレンジは「やり直し」ではなく「再構築」
創業融資の再申請は可能ですが、否決履歴は残り、審査のハードルは確実に高くなります。だからこそ、前回の失敗を分析し、根本的に事業計画を見直すことが必要です。
単なる再提出ではなく、「改善点を明確に示した再構築」として臨むことが、成功への最短ルートです。専門家の力を借りながら、現実的で説得力のある再申請を目指しましょう。
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