柏市 創業融資 サポート事例【自己資金が株式のみだったケース】

当事務所でご支援させていただいたお客様の創業融資事例です。

概要

ご本人の自己資金に現金はほとんどなく株式のみ。また、店舗物件が期間の短い定期借家契約であり、融資が受けられたとしても、希望通りの条件で借りられるか定かでない状態であった。結果的には公庫の担当者にも恵まれ、希望通りの条件で満額の融資を受けることができた。

属性

個人事業主
30代後半の男性

ご相談時の状況

・学習塾を開業するお客様。
・比較的少額で開業できる業種ではあるが、物件の契約に関する費用、開業後の諸経費が必要になるため融資が必要となった。
・純粋な自己資金(通帳残高)は少ないが、個人資産として昔からの株式を持っている。創業融資は一発勝負と聞くし、この株式を自己資金として使えるか不安(コツコツ貯めたものではないため)ということでご相談に。

融資における問題点

・自己資金は株式のみ。預金はほとんどないが自己資金として評価されるのか。

・物件が定期借家契約であり契約期間が通常より短かったため、返済期間が短くなり毎月の返済額が多額になる恐れがある。(定期借家の場合、基本的に物件の契約期間と融資の返済期間は同じになるため)

解決方法【融資までの流れ】

現状と今後の展望をヒアリング

ご本人からお話をお伺いしたところ「十分に可能性はある」と判断した。
理由は以下の通り。

1,株式は自己資金として認められること。
2,開業する業種の経験が10年以上あり、実績、経験ともに十分だった。
3,消費者金融やカードローンの借入れがなかったこと。
4,開業後、不測の事態には親族からの金銭的支援を受けられる約束を取りつけていたこと。

日本政策金融公庫の職員に確認

当事務所を担当している都内の日本政策金融公庫の職員Aに、今回の状況を説明し、自己資金が株式しかないが問題ないか確認。
株式しか自己資金がなくても問題ないこと。株の売却は審査が通った後で大丈夫とのことだった。

事業計画書をご本人と一緒に作成

久しぶりに証券会社の口座を確認したところ株式の評価額が値上がりしていた。
この時点の評価金額を自己資金として事業計画書(数値面)を作成した。
同時に勤務時代の営業力の強さを文章でアピール。

日本政策金融公庫に融資の申込み

申込み後、物件の契約書を確認したところ契約期間が短めの定期借家契約ということがわかる。
契約の延長を不動産屋にお願いしたが動いてくれず。
多少お金をかけて契約交渉をするかお客様と相談したが、このままでいくことに決めた。(定期借家契約の場合、返済期間は公庫担当者の裁量による部分もあるため)

日本政策金融公庫の面談

融資が無くても開業するというご本人の決意は固く、この時点で株式を売却し現金化していた。
面談に同席。(上記で確認した公庫職員Aとは別の支店)
以前、別の案件で融資を実行していただいた職員と同じ人だった。
ご本人も質問に順調に回答でき、帰り際には担当者から「頑張ります!」と言っていただいた。

融資の決定

面談翌日、満額の融資が決定した。

結果

・日本政策金融公庫で希望金額の融資に成功。
・定期借家契約の期間にあわせて返済期間が短くなる可能性はあったが、希望通り7年返済が認められた。

【作成・提出資料】

・創業計画書(日本政策金融公庫のフォーマット)
・創業計画書の補足資料(事業の内容等を詳しく文章で書いたもの)
・売上げ計画書(36ヵ月分作成)
・損益計画書(36ヵ月分)
・資金繰り表(15ヵ月分)
・株式を売却したことがわかる書面(自己資金は株式を売却したものという証明のために)

【今回のアピールポイント】

・ご本人の経歴と勤務時代の実績。営業力が強かったことを具体的な数字を示して説明。
・万が一の時に親族から金銭的支援があること。審査にプラスの効果があるため、誰からいくら支援してもらうかを示した。

今回のポイント

・融資希望額に対して株式の売却額が十分であった。
・親族から資金支援の約束を取りつけていた。
・ご本人の開業業種の経験と実績が豊富だった。
・消費者金融での借り入れがなかった。
・面談での質問にも誠実に回答できたことで人柄も評価された。
・定期借家契約の影響で返済期間が短くならなかった理由は、学習塾のため設備投資がほとんどないこと。業種的に追い出される心配も少ないこと。これにより、契約期間よりも長い7年の長期返済で決まった。ちなみに飲食店など設備投資が大きい業種については慎重になるとのことだった。
・運よく良い担当者に当たったこと。仮に他の担当者だったら返済期間が7年になっていなかった可能性も考えられる。今回はイレギュラー対応をしていただけた。

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