全国で創業支援が活発です。
松戸市にも創業者向けの支援策があります。
代表的なものとして創業塾がありますが、この記事では創業塾のメリットなどをご紹介いたします。
この記事では以下の内容に触れています。
・松戸市の創業塾が開催されます
・創業塾の特典
・創業塾が創業融資の審査に与える影響
・マル経融資は覚えておきたい
・小規模企業共済
松戸市の創業塾が開催されます
2018年10月から「まつど創業塾」が開催されるそうです。
創業塾は他の市区町村でも行われており、毎年一定の時期に開催されます。
創業塾の概要としては以下のようになっています。
※松戸商工会議所の会報から引用
【目的】
独立開業を目指す方、ベンチャー精神旺盛な学生、開業準備中、開業して間もない方を対象に、
創業者の心構え、事業コンセプト、税務や労務、創業計画の作成等の実践的なカリキュラムで
創業の実現をサポートします。
【日程】
全8日間の日程で開催され、6回以上参加した方には「法人登録免許税の減免」や
「創業関連保証の特例等」が受けられる証明書が発行されます。
(申請の必要あり)
開催日は以下の通りです。
①10月19日
②10月26日
③11月2日
④11月9日
⑤11月16日
⑥11月30日
⑦12月7日
⑧12月14日
いずれも金曜日に開催
【開催時間】
午後6時~9時
(最終日のみ午後5時から開催)
【開催場所】
松戸商工会議所
【定員】
40名(先着順、定員になり次第終了)
【内容】
※創業塾のチラシから引用
①10月19日
「創業者の心構え」創業者が持つべき目的・意識について
「先輩創業者の声」経営者の実体験を聞く
②10月26日
「創業時に必要な手続き」個人で開業・法人設立それぞれのメリット・デメリットや許認可が必要な業種の基礎知識
「創業計画書の作成ポイント」事業を成功に導く創業計画書の作り方
③11月2日
「事業コンセプトの設定方法」事業の目的や、自社の強みになる事業コンセプトの設定方法を知る
「マーケティングの考え方」ターゲットや販売場所、販売時期の決め方
④11月9日
「チラシを使った販売促進手法」お客様の目を引くチラシ作成のポイント
「SNS等を活用した販売促進手法」SNS等を活用した効果的な販売促進と注意点
⑤11月16日
「売上・利益計画を立てる」売上予測や利益管理
「帳簿付け・確定申告の仕方」日々の帳簿付けや確定申告の仕方
⑥11月30日
「日々の業務にITを活用する」 ITツールを活用して業務効率化や営業力を向上させる方法
「従業員の雇用について」 従業員を雇用する際の諸手続き
⑦12月7日
「役立つ各種支援制度」市・県等の支援施策を知る
「金融機関はここを見ている!」創業資金調達に役立つ創業計画書作成のポイントを知る
⑧12月14日
「創業計画書の仕上げ」作成した創業計画書を完成させよう
【受講料】
無料
お問い合わせは松戸市商工会議所 経営支援課
電話番号 364-3111
創業塾の特典
創業塾ではいろいろなことを学ぶことができるのですが、
修了するとこんな特典が受けられます。
<法人設立時の登録免許税が減免されます>
株式会社では資本金の0.7%→0.35%最低税額15万円の場合、7.5万円まで減額されます。
もちろん合同会社の設立でも使えます。
<無担保、第三者保証人なしの創業関連保証が創業6ヶ月前から利用可能>(別途審査あり)
通常は開業の1,2ヵ月前からしか使えない信用保証協会の保証付きの融資が
半年前から使えるようになります。
<日本政策金融公庫「新創業融資制度」の自己資金要件の充足>(別途審査あり)
日本政策金融公庫の「新創業融資制度」には総事業資金の10分の1の自己資金をもっていることが利用条件ですが、創業塾を修了するとこの条件を満たしたことになり、融資を申し込めます。
創業塾が創業融資の審査に与える影響
創業塾は上記のような特典があるわけですが、実は創業融資の審査自体にも有利になります。
というのも先日、文京区で開業される方の創業融資をお手伝いさせていただきました。
その方は文京区の創業塾を修了していました。
なので、登録免許税の減免を使い合同会社を設立していました。
この方のケースでは日本政策金融公庫に創業融資を申し込み、無事に融資が決まりました。
後日、担当していただいた公庫の職員さんと話したのですが、
そのなかで「創業塾を修了していたのはプラスに働きました」とおっしゃっていました。
このように、日本政策金融公庫の創業融資を使う場合は
制度的に有利になるという面もありますが、そもそもの融資審査に有利に働くことがあります。
ただし、創業塾を修了した人すべてが創業融資を受けられるわけではありません。
創業塾で多少の不利は補えるかもしれませんが、自己資金がゼロなど、あきらかにNGという状況の方に融資はしないでしょう。
マル経融資は覚えておきたい
創業したてでは使えませんが、1期事業を終えると使えるようになる融資制度があります。
「マル経融資」というものです。
このマル経融資は「商工会議所の経営指導を6ヵ月受けていること」という条件があります。
つまり、商工会議所に入会していないと使えないのです。
また、経営指導を6ヶ月受けていることが条件になるので、経営指導を受けていない方がいきなり申し込むこともできません。
前もって指導を受けておく必要があります。
上記のような条件はありますが、マル経融資を目的に商工会議所に入会するのもありかもしれません。
マル経融資の制度概要は以下のとおりです。
【融資限度額】
2000万円
【返済期間】
運転資金 7年以内
設備資金 10年以内
【利率】
1.11%
【利用条件】
商工業者で従業員20名以下(商業、サービス業は5名以下)
商工会議所の経営指導を6ヶ月以上受けていること
所得税、事業税、住民税、消費税等を完納していること
申込みから融資実行まで1ヵ月程度かかるので早めに自社の資金繰りがどうなのか見極めなければいけません。
成長資金なら良いと思いますが、資金ショートする寸前に申し込んでも間に合わないのでご注意ください。
小規模企業共済
これ以外にも創業期から使える「小規模企業共済制度」という便利な制度があります。
小規模企業共済とは国の機関である中小機構が運営する退職金制度です。
1,000円~70,000円の範囲で自分が設定した金額を毎月積み立てていきます。
(金額は途中で増額や減額ができます)
小規模企業共済は以下のような効果があります。
・掛金の全額が所得控除の対象になるため、節税効果がある。
・掛金は事業をやめる時や引退する時に退職金として戻ってくる。
・掛金の範囲内で借入れができる。
開業当初は少額から始めてみて、徐々に増額していくのもよいと思います。
このような公的支援策は積極的に利用していきたいですね。