先日、文京区で起業される方の創業融資に関わりました。
その方は文京区の創業支援セミナーを受講していました。
この創業支援セミナーを受けると融資において有利になることがあります。
ということで、今回はこのセミナーについて書いてみました。
創業支援セミナーとは?
各市区町村で創業支援セミナーが開催されていますが、
このセミナーは「産業競争力強化法」で定められたものです。
この法律では、地域の創業を促進させるため、市区町村が民間の創業支援事業者(地域金融機関、NPO法人、商工会議所・商工会等)と連携して、ワンストップ相談窓口の設置、創業セミナーの開催、コワーキング事業等の創業支援を実施する「創業支援事業計画」について、国が認定するとしています。
ざっくりいうと、国が認定した市区町村では創業支援セミナーが受けられるわけです。
逆に、認定を受けていない市町村にこのような制度は無いということです。
創業セミナーを受けると特典がある
国の認定を受けた市区町村で創業支援セミナーを受けると「特典」があります。
今回、融資のご支援をさせていただいた文京区の例を挙げると次のようなものがありました。
”以下文京区のホームページから引用”
<登録免許税の軽減>
認定を受けた特定創業支援事業の支援を受けて創業を行おうとする方が株式会社等を設立する際、登記にかかる登録免許税が軽減されます。
<信用保証枠の特例>
創業2ヶ月前から対象となる創業関連保証の特例について、事業開始6ヶ月前から利用の対象になります。
<日本政策金融公庫新創業融資制度の自己資金要件充足>
特定創業支援事業により支援を受けた者は、新創業融資制度の自己資金要件を充足したものとして、利用することが可能です。
<日本政策金融公庫新規開業資金の貸付利率の引き下げ>
新規開業支援資金の貸付利率の引き下げの対象として、同資金を利用することが可能です。
今回お手伝いさせていただいた方は、合同会社を設立していたのですが、
その際に上記の「登録免許税の軽減」を使い、登記費用を抑えていらっしゃいました。
起業時の融資にこんな効果が
この創業支援セミナーは融資にも影響があります。
制度的なところでいえば
前述のように「自己資金要件の充足」や「貸付利率の引き下げ」、「信用保証枠の特例」がありました。
実は制度的な特典だけでなく、融資の審査にも良い影響があるようです。
今回、文京区で起業される方の融資に関わったのですが、日本政策金融公庫を使って融資を受けることにしました。
融資の面談に同席した際、公庫の職員さんに
「創業支援セミナーを受けているので利率の引き下げを使いたい」とお伝えしました。
ただ、私たちのようにセミナーを受けて利率の引き下げを使いたいという方があまりいないそうで
職員さんからは「調べて連絡します」ということになりました。
その後、すぐに連絡があり内容としては「利息は1.86%で使えます」ということでした。
数日後、無事に満額の融資が決定したのですが、その際に担当した職員さんにお話をうかがったところ
「創業支援セミナーを受けていたことが審査にプラスになりました」
とおっしゃっていました。
このように、利息の軽減や自己資金要件の充足という制度面だけでなく
融資ができるかどうかの根幹部分にもプラスに働く。という効果があることがわかります。
まとめ
以上のように、市区町村で行う創業支援セミナーには様々な特典がありました。
特に、登録免許税の軽減や、融資の利息の軽減はありがたいですね。
また、融資の審査自体にプラス効果もあります。
良いことづくめなようなので、創業支援セミナーに通う時間的な余裕があるようなら
通ってみるのも良いのではないでしょうか。
創業融資専門行政書士事務所。「かきざき行政書士事務所」
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