柏市 開業する時に融資を受けるべきなのか?

柏市 開業する時に融資を受けるべきなのか?

先日、こんなご相談をいただきました。
「創業融資を受けるべきか悩みます」
ということで、今回は創業時の融資を受けた方がいいのかどうか書いてみました。
少しでもお役に立つ内容であれば幸いです。

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    この記事は以下の内容で構成しています。

  • 創業融資は受けるべき?
  • 借りたいときに借りれない
  • 将来を見据えての融資

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創業融資は受けるべき?

創業融資は受けるべきなのか?
正直、悩みどころです。

借入れをせずに自己資金だけで事業を軌道に乗せたい、という方もいると思います。
逆に、融資を受けて資金的な余裕をもって事業を始めたい、という方もいらっしゃいます。
また、そもそも開業するのに融資を受けることが前提の場合も多くあります。

融資を受けるのは勇気がいることです。
借りたのはいいけど本当に返せるのか、という不安もあります。

しかし、個人的には創業融資は受けた方が良いと考えています。
それは以下のような理由があるからです。

創業融資を受ける理由
運転資金を確保するため

多くの場合、自己資金だけで始めるとなると使えるお金は限られてきます。
設備投資に多額の資金を使った場合、肝心の運転資金が少なくなることもありますし、必ずと言っていいほど想定外の出費が発生します。
そして、運転資金が底をつけば倒産してしまいます。

この事業を維持するために必要な運転資金を潤沢にもつことを目的に融資を受ける。
そして、手元にある程度の現金を持っておくことで精神的に落ち着きながら試行錯誤を繰り返して営業をしていく。
その結果少しづつでもお客さんがついて売上が安定すれば、月々の返済も問題なくなります。

また、融資を受けておいて生活費を別にプールしておけば安心感があります。
たとえば、半年分の生活費は別に置いておいて、生活費を差し引いた分の自己資金+融資金を事業資金として使う。というような資金配分しておけば生活費に手を付けずに済みます。

というように、資金にゆとりをもたせるために融資を受けるとよいと思います。

借り方の例

たとえば、このような条件で借りることができます。
融資額500万円の例です。

・資金使途 運転資金
・返済期間 7年
・据置期間 6か月

このようにして借りた場合、据置期間を6か月設定したので、借入から半年間は元本返済がありません。利息のみの支払いになります。元本の返済は据置期間終了後から始まります。

支払回数は通常の7年返済だと84回払いになりますが、据置期間を6か月設定したため78回払いになります。
この場合の毎月の元本返済額は約6万4千円となります。

据置期間を設け返済を止めることで開業当初の資金繰りに余裕を持たせます。

おすすめしない借り方

創業融資は受けた方がよいと書いてきましたが、資金使途によってはやめた方がよい借り方があります。
それは「必要以上の設備資金」です。

例えば、
軽自動車や中古車で十分業務ができるが、高価な新車を購入する。
中古でも問題ないが厨房設備を新品で揃える。
などです。

事業を始める以上どうしても設備や機械の購入は必要です。
せっかく開業するのですからなるべく良い機械や設備を購入したくなります。
ですが、できることなら業務に支障が出ない程度のものを購入したいです。

なぜかというと運転資金にお金を使いたいからです。

車を例にすると、300万円の新車と120万円の軽自動車で比べると180万円の差額があります。
この180万円を運転資金として持っておくと余裕ができます。

他方、借入額の圧縮にもつながります。
設備資金を抑えて借入額を減らすことで、毎月の返済額を減らすことができます。
返済額が減ればその分資金繰りが回りやすくなります。

運転資金は多く、設備資金は少なく

以上のようなことから創業融資を受ける場合の理想は以下のようになります。
運転資金はできるだけ多く借りて手持ち資金を増やし、設備資金は必要な範囲に抑える。

借りたいときに借りれない

前掲した理由とは違う理由で創業融資は受けた方が良いと思うことがあります。
それは、借りたいときに借りれないからです。
よくある例でいうと「開業してから数か月後、実績が大赤字の時に融資を申し込む」というようなケースです。

このようなご相談が度々あります。
多くの場合が自己資金だけで事業を始めたが、赤字の状態が続き運転資金がほとんどない。
という段階でのご相談が多いです。

赤字の程度によっては融資を受けられません。
やはり貸す側から見れば赤字続きの会社に融資をしにくいというのは容易に想像できます。

このように、開業して1年未満で実績が大赤字に陥った段階での融資というのは非常に難易度が上がるケースです。
実際、日本政策金融公庫の職員もこのようなケースが一番やりにくいと話していました。

開業してから数カ月間だったとしても、その期間の実績が出てしまっています。
これから開業する人をゼロとするならば、既に開業していて実績が赤字の人はマイナスの評価ということになってしまいます。

それであれば、融資が受けやすい開業時にお金を借りて改善策を打っていくこともできます。
私がご相談を受けた方にも「もっと早く融資を受けておけば…」とおっしゃる方もいらっしゃいます。

このようなご相談をいただくことも創業融資を受けた方が良いと考える理由になっています。

赤字でも融資できることはある

ただし、赤字続きでも融資ができるケースももちろんあります。
たとえば、毎月赤字を計上しているが月を追うごとに赤字の金額が減っていっている。
もうすぐ黒字に転じそうだという場合です。

ここまでもっていければ融資の可能性がみえてきます。
それでも通常より厳しいことにはかわりません。

将来を見据えての融資

上記のように、自己資金だけで始めたものの赤字が続き、資金がなくなりそうになってからの融資はとても難しいです。
状況によっては融資が受けられないということもあります。

であれば、借りやすい創業当初に融資を受けておき、手持ちの運転資金に厚みを持たせておきながら、創業期を乗り切った方が賢明ではないかと思います。

創業融資を受けたものの早く事業が軌道に乗ったので借りる必要はなかった、というのであれば大成功です。
あとは淡々と毎月返済していけばよいですし、一括返済をしてもよいでしょう。

また、返済実績を積むことで金融機関に対して信用ができます。
実績があることで、初回よりも借入れがしやすくなります。(もちろん業績によりますが)
事業規模を大きくするには融資をうまく使うことが不可欠です。
とくに民間金融機関で保証協会だけでなく、プロパー融資を利用できるまでになれば資金調達の幅も広がります。
プロパー融資はそれまでの返済実績がなければ不可能です。
将来の展開を見据えて創業期から金融機関との融資取引を始めていく、というように資金調達も戦略的に行っていくとよいと考えます。

まとめ

創業融資を受けるか否かの判断は難しいところです。
創業時の状況は人それぞれなので、絶対にこうすべきというような正解は無いと思います。

あくまでも現在の状況や今後の計画、展望といった経営判断によるものです。

ただ、事業を始めるなら運転資金は潤沢に持っておきたいです。

他方、事業を拡大する予定であれば融資を利用する必要が出てくると思います。
すでに金融機関に返済実績があれば何もない人よりも借りやすくなります。良い時も悪い時もです。
数年後を見越して賢く金融機関を使っていくことも大切です。