創業融資のときに直面するのが「自己資金」です。
自己資金の内容が融資審査に与える影響は大きいです。
では、この自己資金が少ない場合、どこかから借りてきても問題ないのでしょうか。
審査の現場でどのような判断がされるのかまとめました。
借り入れで自己資金を増やしても意味がない!?
自己資金は創業融資においてとても重要な要素です。
自己資金を多く持っていればそれだけ融資もしやすくなります。
ただ、融資を受ける人全員が十分な自己資金を持っているわけではありません。
そんな場合に思いつくのが「どこか別の所からお金を借りて自己資金を増やす」というものです。
このような質問はよく受けるのですが、実際どうなのでしょうか。
答えは「そんなことをしても意味がありません」
むしろ、印象的にはマイナスになると感じます。
借り入れで自己資金を増やしても意味がない理由
なぜ意味がないのか。
自己資金の審査方法をふまえて解説します。
まず、どのようなお金を自己資金としているのか。
たとえば、以下のようなものが自己資金として評価されます。
・給料を貯蓄したお金
・株を売却して得たお金
・自動車など財産を売って得たお金
などです。
この他にもありますが、共通するのは自分の所有する財産ということです。
他人のものではありません。
どこかから借りてきたお金は自分のものではないので、認めることができません。
また、日本政策金融公庫で創業融資を申し込む場合、ほぼ確実に個人信用情報を確認しています。
そうすると、いくら負債があるのかわかります。
そして、創業融資の審査では消費者金融などからの借入れをとても嫌います。
理由としては、
「消費者金融への返済が事業の資金繰りを悪化させる恐れがある」
「融資したお金が消費者金融の返済にまわされる恐れがある」
などが挙げられます。
したがって、多額に借入れの残高があったりするとそれだけで否決されたりします。
その他に、起業に対する熱意や準備具合も自己資金で判断しています。
たとえば、3年前から起業にむけて毎月少しづつ給料を貯蓄して200万円貯めた。
というAさんと
3ヵ月前に起業を思い立ち、自己資金がないのでどこかから200万円借りてきた。
というBさんの2人の人がいた場合、どちらの人の方が事業の成功確率が高そうでしょうか?
おそらく前者のAさんです。
3年前から資金を貯めているということは、3年間の間に事業に対する様々な準備もしているはずです。
起業に対する本気度も後者のBさんよりも高いと容易に想像できます。
預金通帳に200万円という同じ金額の残高があっても、その蓄積過程の違いで審査結果はまったく違うものになります。
自己資金の少なさを補う方法がある
自己資金が少ない場合にどこかから借りてきても意味がありません。
では、どうすればよいのか。
いくつか方法はありますが、それよりも大事なことがあります。
そもそも自己資金の少なさを補完する要素を自分自身がすでに持っていたりします。
その要素とは「経験」です。
勤務時代と同じ業種で開業する場合、勤務時代の経験や実績がしっかりとしているのであれば、自己資金が少なめでも融資を実行することがあります。
融資をして「返済される可能性がある」と判断すれば融資をするので、
多少自己資金が少なくても、経験がしっかりしていれば事業が成功しやすいと判断をします。
「事業の成功=返済される」というわけです。
ただし、経験は自分からアピールする必要があります。
審査の担当者がたった一度の面談で、全てこと細かく聞き取ることはできません。
であれば、こちらが前もって自分の経歴や実績を書面にして伝える必要があります。
どのような内容の仕事に関わって、何を経験したのか。
実績はどのようなものがあるのか。
その経験は開業後どう役に立つのか。
などを書いていくと、その内容をもとに面談が行われます。
こうして経験が十分であることがわかれば、融資審査に有利にはたらきます。
見せ金よりも大事なこと
自己資金が少ないからといって、どこかから借りて来て自己資金を増やしても意味がありません。
このような行為は一般的に「見せ金」と言われています。
基本的に見せ金をいくら作ったとしても審査の時に全てばれてしまいます。
また、そのようなことをしてしまうと、その他の問題ないところまで疑われる可能性もあるので
マイナス効果になりかねません。
自己資金が少ない場合でも、状況によっては対策が取れることもあったりします。
見せ金という手を使うより、その人にあった対応策を講じる方が可能性が上がるというわけでなんです。
見せ金よりも優れた方法をとれば資金調達が可能になるかもしれません。
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